研究課題
最終年度の2021年は、咬合支持域の欠損有群の対象を増やし、栄養状態との関係を調査する予定であった。しかし、再びコロナ感染拡大となったため、ディケアや市主催の健康講座が中止となり、対象人数を増やすことができなかった。そのため、2019年度の対象者132名中の男女間の交互作用がなかったことから、共分散分析と多重比較に、解析法を変更した。その結果、対象者の属性は、40-64歳:12名(男性2名、女性10名)、65-74歳58名(男性17名、女性41名)、75歳以上62名(男性18名、女性44名)の71%が女性の高齢者集団であった。栄養状態は、年齢に性別に関係なく、BMIが22.88±3.02の標準から小太り、体筋力量は、男女ともに加齢に伴う低下傾向に、体脂肪量は、男女、年齢に関係なく高かった。下腿周囲長は、後期高齢者の男女ともに筋肉がある状態に対して身体機能の握力が低下している集団であった。フレイルと判定された対象者はいずれも65歳以上であった。フレイルの有無による比較では、65歳以上の群においてフレイル有群が無群に比較して下腿周囲長、握力、除脂肪量、藤島G、舌圧、OD、生活自立度、認知機能の有意な低下が認められた。咬合支持域の欠損の有無については、65歳以上で咬合支持域の欠損有群が出現した。65~74歳に比較して、75歳以上の咬合支持域の欠損有群で、舌圧、OD、下腿周囲長、認知機能が低い傾向にあった。舌圧はOD、衛生状態、舌苔の有無、握力、認知機能と正の相関が認められた。ODは、これらの項目に加え義歯の有無、嚥下機能とも正の相関が認められた。以上から、地域在住者おいて65歳以降にフレイルの発症とともに咬合支持域の欠損有群が認められることが明かとなった。また、舌圧とODは身体機能の握力のと関係があることが示唆された。
すべて 2021
すべて 学会発表 (2件)