研究課題/領域番号 |
17K00915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
中川 敏幸 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00271502)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 機能性食品成分 / ポリフェノール / アルツハイマー病 / 認知症 / 行動・心理症状 / 統合的ストレス応答 |
研究成果の概要 |
認知症の7割を占めるアルツハイマー病(AD)は認知記憶障害が中核症状である。一方、1万人を超える行方不明者や踏切事故に繋がるのはADの周辺症状(BPSD)である徘徊が主な原因である。徘徊は、新しい記憶の再生が障害され、過去と現在の自分と重なることが要因であると理解されている。本研究では、ケルセチンを長期間摂取したアルツハイマー病(AD)モデルマウス脳のConnectivity Map解析を行い、記憶再生障害の改善が期待できる食品成分であるルテオリンを同定した。さらに、この成分のリン酸化eIF2α-ATF4シグナルへの抑制作用とBPSDに対する効果を確認した。
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自由記述の分野 |
神経内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、記憶再生障害の改善効果について、食品成分による統合的ストレス応答経路の制御に着目した点である。特に、統合的ストレス応答経路は認知機能障害に関連することが世界的に注目されてきている。また、1万人を超える行方不明者や踏切事故に繋がるのは認知症の周辺症状(BPSD)の徘徊を記憶再生障害に基づく目的のある行動と捉え、記憶再生障害に改善効果が期待できる機能性食品成分を同定したことは、BPSDに対して食品成分から新たにアプローチが可能であることを示唆する。さらに、認知症の発症を遅らせ(一次予防)、発症後の進行を緩やかにする(三次予防)可能性から社会的意義がある。
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