本研究の目的は、急な減塩によって、生体にどのような影響を及ぼすか、つまり急な減塩は生体にとって負荷となるのか?を実験的に検討することである。そのために、Dahl 食塩感受性ラットに8%の食塩負荷により高血圧を発症させ、その後、通常食に戻して減塩を行なった。食塩負荷により、動脈圧は有意に増加し2週間の負荷中33±1mmHg増加した。しかし、交感神経活動は増加せず、交感神経活動が高血圧の上昇に影響を及ぼさないことがわかった。さらに、減塩により、動脈圧は食塩負荷前のレベルに戻ったが、腎交感神経活動は32±3%と有意に増加した。つまり、腎交感神経活動は食塩喪失に過敏に反応することが示唆された。
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