研究課題/領域番号 |
17K00926
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
田村 朝子 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (60240991)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ロコモティブシンドローム / 子どもロコモ / 口腔筋力 / 運動器機能 |
研究実績の概要 |
本研究は、就学前の幼児に好ましい生活習慣や食習慣を身につけ、運動器機能を維持・向上させ、子どもロコモを予防するための食教育と口腔機能トレーニングのプログラム開発を目的としている。 研究初年度にあたる平成29年度は、プログラム開発のための基礎データ収集および調査・測定項目の妥当性の検討を目的に研究を進めた。しかし、基礎データ収集にご協力いただけるこども園、保育園、幼稚園の選定と説明会等の日程調整に手間取り、収集データが非常に少なかったことから、今年度も引き続き基礎データ収集を実施した。 その結果、研究協力の同意の得られた保育園、幼稚園の3~5歳児(約250人)において、運動器機能チェック4項目は、体前屈、しゃがみ込みの全身や足首の柔軟性をみる2項目で22~38%の園児ができなかった。4項目すべてできた園児に対して1項目以上できない項目があった園児は身長、体重が小さく、筋肉量が少なくなる傾向にあった。口腔機能測定においても、4項目すべてできた園児は、舌圧が強く、「パ」「タ」「カ」の発音回数が多くなった。食嗜好・生活習慣調査では、4項目すべてできた園児は、テレビ・PCの視聴・使用時間が短く、戸外で遊ぶなどの体を動かす時間が長くなった。また、1項目以上できない項目のある園児に比べて、たんぱく質、脂質の摂取量が有意に高く、カルシウム、総エネルギー摂取量も多くなる傾向にあった。 この結果を相関解析したところ、米飯摂取量と身長、体重、徐脂肪重量間、舌圧と体を動かす時間との間にそれぞれ正の相関が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究協力いただく保育園を市の教育委員会経由で公立保育園をご紹介いただくため、実施するまでに時間を要することと、全市に渡って園児の調査を実施してほしい旨、教育委員会より調査依頼された。また、幼児は発育が著しいため、基礎データとして収集、活用するためには、同じ時期に調査を実施する必要があり、初年度の29年度には、12月~2月にかけて調査を実施したため、30年度も同様に実施せざるを得ず、現段階においては、基礎データを蓄積するのみとなっており、口腔機能や食教育の介入までには至っていないことから、遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は、平成30年度までに蓄積した基礎データの解析を急ぐとともに、さらなる基礎データの蓄積にまずは努めたいと考えている。その上で、基礎データ解析から得られた結果をもとに、研究協力いただける保育園と幼稚園のスタッフや管理栄養士に解析結果を説明し、食教育や運動、口腔機能トレーニングの介入プログラムの内容を協議し、介入後の効果を、基礎データ収集時と同様に調査を実施し、子どもロコモ予防のための実践プログラムとしてまとめる。
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