研究課題
最終年度は,対象者(管理栄養士養成課程生,27名,女性,3回生)を追加し,昨年度と同様にeラーニングシステムを利用して学習してもらった.収集したデータは昨年度のものとまとめて,eラーニングシステムの教育効果を検討した.したがって対象者は,合計で147名(女性,1・3年生),介入群ではTurn(360度立体回転画像)群が38名,VR(両眼視差利用立体画像群)群が35名,非介入群ではTurn-C群が37名,VR-C群が37名となった.そして,介入群に見積り力の向上と見積り行動の変容が確認され,特にTurn群において有意であった.研究期間を通じた主な研究成果は,以下のとおりであった.1)3次元表示(3D)画像は,2次元表示画像よりも食品重量の見積りが容易となり,3D画像を利用した食品重量見積りのeラーニングシステムは,見積り力の向上に貢献する.2)重量把握が可能なフードモデル(リアルフードモデル,委託開発)と食品画像とを組み合わせた,複数回の食品重量見積り学習も,見積り力の向上に貢献する.3)eラーニングシステムでVR画像を利用すると,学習者にVR酔いや疲労がやや多く見られたことから,ゲーム要素を取り入れるなどして,楽しく学んでもらうことの必要性が示唆された.ICT(情報通信技術)の利活用が加速している中,本研究により栄養診断・教育においてもICTが有用であることが確認された.開発されたeラーニングシステムは,管理栄養士や管理栄養士・栄養士養成課程生の食品重量見積り力の向上に貢献する.
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