研究課題/領域番号 |
17K00931
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
吉村 英一 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (70613214)
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研究分担者 |
飛奈 卓郎 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (60509678)
永山 千尋 長崎県立大学, 看護栄養学部, 助教 (70803873) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 睡眠不足 / 行動科学 / 食事 / 身体活動 / エネルギー代謝 / 食欲 / 報酬系 |
研究実績の概要 |
昨年度は、睡眠不足のよる影響を1日単位で分析してきたが本年度は、介入最終日の朝に実施した研究の分析を中心に行った。本年度の研究概要は1年目に実施した研究方法を実生活に近い睡眠時間に設定するために短時間睡眠を5時間、対照睡眠を8時間に変更し、24名の健常な男女を対象に無作為ランダム化クロスオーバー比較試験を実施した。連続した3日間定められた睡眠時間で睡眠を行い、4日目の朝に空腹状態で甘みを好む閾値と採血の測定を実施し、その後ビュッフェ食を実施した。採血項目は、レプチンと活性型グレリンであった。身体活動量と睡眠の評価は昨年度と同様の方法で評価した。 甘みを好む閾値は、対照睡眠時よりも短時間睡眠で高値を示した(p<0.05)。活性型グレリンもまた短時間睡眠時に高値を示した(p<0.05)。レプチンは条件間で有意な差が認められなかった。短時間睡眠時に朝食のエネルギー摂取量は通常睡眠時よりも高値を示した(p<0.05)。この影響はほとんど炭水化物の摂取量の差であった。一方、短時間睡眠時のエネルギー摂取量は甘みを好む閾値、活性型グレリンと有意な相関関係は認められなかった(p>0.05)。1年目に実施した研究課題1では、短時間睡眠と通常睡眠の条件間でエネルギー摂取量の差は認められなかった。これは研究課題1では買い物行動によってエネルギー摂取量を評価したが、研究課題2ではビュッフェ食によって摂取しており、食事を摂取する条件が異なることが影響しているかもしれない。本研究は、短時間睡眠時に甘みを好む閾値と活性型グレリンが高まり、エネルギー摂取量が増加すると仮説していたが、相関関係は認められなかった。研究期間中に2つの研究課題に取り組んできたが、個人差が大きく、性差やレスポンスの違いによる層別化、新たな眼球運動に着目してさらなる検証を今後行っていく予定である。
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