研究課題/領域番号 |
17K00935
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
小林 実夏 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (50373163)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 母子コホート / メンタルヘルス / 発達 / 食習慣 / 食事評価 / 栄養摂取状況 / サポート / 夫婦関係 |
研究実績の概要 |
本年度も引き続き、国立成育医療センターで実施されている「成育母子コホート研究」の生後6年後の調査を子の父親・母親を対象に質問紙法により実施し、10月末をもって調査を終了した。調査の内容は、子の身体的状況、発達状況、睡眠・運動等の生活習慣、食習慣、しつけ、世話について、父親・母親それぞれの健康度、メンタルヘルス、夫婦関係、食習慣についてである。これらの調査とあわせて子ども、母親、父親を対象に簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用いた食事調査の実施を行った。生後6年後の調査結果を整理しデータ構築をすることによって、出産後うつ、その後のメンタルヘルス、健康度、就業状況、夫婦関係、ソーシャルサポート等が子どもの栄養や発達に与える影響について詳細な検討を行う。生後6年後の調査では子ども、母親、父親それぞれの栄養摂取状況を把握できることから、母親のメンタルヘルスが子どもの栄養や発達に及ぼす影響のみならず、育児中の母親、父親の食事に及ぼす影響についても明らかにする。栄養摂取状況については、エネルギーや栄養素摂取量を算出して摂取量の過不足について評価することのみならず、食事バランスガイド、食事の多様性、食事パターンを用いた新しい評価方法によって栄養状態を把握するための検討を行い、母親のメンタルヘルスの子どもへの栄養や発達、あるいは母親、父親の食事への影響について関連を明らかにする。 また、これらの関連に出産・育児に関するソーシャルサポート、身近な人のサポートおよび夫婦関係が与える影響について明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度は、6歳児から289件、母親から289件、父親から268件、合計846件のデータを収集した。2018年度は、6歳児から307件、母親から312件、父親から271件、合計890件のデータを収集した。2019年度は、6歳児から168件、母親から171件、父親から143件、合計482件のデータを収集した。2020年度は、6歳児から3件、母親から4件、父親から4件、合計11件のデータを収集した。年度ごとの集計方法を修正し、4年間で総合計2,229件のデータ収集が完了した。 産後うつ(EPDS)、精神的健康尺度(Kessler-6)、健康関連QOL (SF-8)、母親から乳児へのボンディングスケール(MIBS-J )等の指標と子どもの発育状況、食習慣との関連を検討するため、産後1ヶ月から出産後3年までの各データの整理が完了した。 出産3年後の母親のメンタルヘルスと子どもの食事との関連に周囲のサポートが与える影響について解析を行った。その結果、夫や友人からのサポートを受けた母親は、気分障害が有意に少なかった。子どもの身体的発達とは関連がみられなかったが、母親が夫や友人からサポートを受けた場合、子どもの野菜摂取量が多かった。この結果は友人からのサポートで顕著であり、サポートに応じて、野菜の摂取量が有意に多くなった(p = 0.027)。解析結果により、周囲のサポートは子どもの野菜摂取量を増やす可能性があり、育児にとって友人や家族のサポートが重要であることを明らかにした。成果は学術論文として投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度で生後6年後の調査は配布・回収が終了したので、解析用のデータベース構築を完了する予定である。データの整理ができた調査項目について解析を行い、産後うつ症状およびその後のメンタルヘルスと出産後6年後の子どもの発育状況、栄養摂取状況、食環境との関連について検討する。同時に、母親、父親の栄養摂取状況、食環境や、就労状況、夫婦関係等の心理社会的要因との相互関連性についても検討する。子ども、母親、父親の栄養摂取状況については、エネルギーや栄養素摂取量を算出して摂取量の過不足について評価することのみならず、食事バランスガイド、食事の多様性、食事パターンを用いた新しい評価方法によって栄養状態を把握するための検討を行い、母親のメンタルヘルスの子どもへの栄養や発達、あるいは母親、父親の食事への影響について関連を明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に申請予定だった研究成果投稿のための伝票が年度末決算に間に合わなかったため。研究成果投稿および学会発表を行うため、未使用額をその経費に充てることとしたい。
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