大阪市内の学童・生徒の肥満度とやせの地域分布には貧困による偏りがみられる。24区別に平均所得と学童・生徒の肥満度との相関を検討すると、区毎の平均年収と肥満度に負の相関がみられた。また中学3年では、やせが男女とも増加している。東大阪市の小学校5年と中学2年の各1,000名とその保護者に郵送によるアンケート調査を実施した。貧困家庭では携帯電話やスマホ、ゲーム機は与えられているが、塾通いの率は低下し、帰宅後の勉強時間が短く、教育格差が生じている。貧困が相対概念で定義されるため、子どもの貧困は見えにくいが、学習面や健康面を通じて将来の人的資本の劣化を招来しかねないため、早急な支援と対策が必要である。
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