高齢者にとって食事は日常生活における重要な彩りとしての役割を持ち、嗅覚や味覚による食の楽しみが求められる。しかし、加齢が進むに連れて摂食能力が減退し、食事による感覚刺激を十分に得ることが難しくなるため、食欲低下などから栄養不足となる高齢者は多い。こうした問題を解決するために本研究課題では、食事の匂い感を色彩で強調することを目的として摂食前の行動に着目し、食事における7種類の味覚成分から連想する色分布に基づいた匂いの強化色を推定した。また、この推定色を実空間と仮想空間を融合するARメガネと食事環境を取得する可動式カメラを用いて仮想的に色再現する食事支援システムを構築した。
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