保育現場で実施されている食育の評価指標の整理を行い、目安となる共通の評価指標を開発、確立することで、系統的な食育の実践、保育現場における食育の質の向上に貢献することを目的に研究を実施した。 本年度は①昨年度実施できなかった新たな研究協力園での幼児の運動能力測定、それと同時に保育者、保護者を対象とした園の給食、家庭での食育に関するアンケート調査が実施できた。その結果、給食時の様子の各項目での回答と運動能力測定結果の平均値に有意な差はみられなかった。しかし、保育現場で計画的に運動体験の質と量工夫して、日常保育でそれらをこなせるような仕掛けを取り入れることで、園全体としての発達に沿った子どもの運動能力の向上が維持できると考えられた。その取り組みにより、子どもたちは空腹感を感じ、自然としっかりご飯が食べられる、いわゆる「食べる力」の向上にもつながることが示唆された。この結果は学会で発表した。②本研究期間で保育現場において多く実施されている、栽培活動、調理活動を取り入れた食育プログラムの効果とその評価に関する論文について系統的、網羅的に収集し、保育現場における食育プログラムの効果、その評価指標を調べた結果を論文としてまとめた。③研究協力園での食育活動の1つとして作成、配付した家庭向け食育教材の活用状況について調べた。結果、保育現場からの家庭向けに教材を作成し配付する際には印刷型教材の利点を生かし提供することで,教材の閲覧率は高まると考えられ、保育現場での食育活動とその評価に関する論文としてまとめた。④本研究のまとめとして、今までに調べた評価指標を使用した調査(ネット調査)を全国の保育現場に勤務する保育者(保育士、幼稚園教諭、保育教諭)を対象に実施した。その結果は現在、解析中であり、解析終了後は論文として発表する予定である。
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