研究課題/領域番号 |
17K00947
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
三成 由美 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (60239324)
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研究分担者 |
徳井 教孝 中村学園大学, 薬膳科学研究所, 教授 (50207544)
御手洗 早也伽 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (60761517)
熊谷 奈々 中村学園大学, 栄養科学部, 助教 (70552983)
入来 寛 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (70738575)
酒見 康廣 中村学園大学短期大学部, キャリア開発学科, 教授 (90124130)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 中学生 / 生活習慣 / 排便習慣 / 体質 / 腸内細菌叢 / 食育 |
研究実績の概要 |
沖縄県の中学生の生活習慣と排便習慣および体質と腸内細菌叢の関連 研究期間は、平成30年4月~7月、対象:沖縄県I村の中学生で同意が得られた25名。調査内容は、1)日常の食事や食習慣に関する実態調査、2)食物摂取頻度調査票による食生活調査は3 日間の料理を秤量法で調査し栄養価計算した、3)排便記録調査は2週間の排便の状況を記録、4)排便習慣における意識調査、5)腸内細菌叢の分析。採便後、腸内細菌叢の解析は、㈱テクノスルガ・ラボに依頼し次世代シーケンス(NGS)・アンプリコン解析を行った。腸内細菌叢の解析は、JMP (SAS Institute Inc, USA) を用いた。栄養価はエクセル栄養君Ver.8で算出した。解析は、統計解析ソフトSPSS Statistics ver.22を用い、χ2検定を行った。その結果、対象者の食生活習慣は日常の野菜類の摂取頻度が高く、よく噛んで食べて好ましい結果であった。対象者の栄養素の摂取状況は、生徒で60%の人が基準値を満たしていない栄養素は、エネルギー、たんぱく質、炭水化物、食物繊維であり、ビタミン類で、ビタミンA、ビタミンB1、ビオチンであった。栄養摂取状況では、まさに飽食の現代における「新型栄養失調」と考えられる。腸内細菌の多様性については、野菜を意識して食べる、朝排便する時間がある、食物繊維を多く摂取することも関連することが明らかとなった。今後、学校現場で腸内細菌の多様性を高めるための食育を推進していくことが重要であると考えられる。 本研究結果より、沖縄県の長寿を支えた伝統食や郷土料理が敬遠され、食の欧米化が進行していたためか、先に報告した福岡県の中学生の腸内細菌叢との結果と地域による差が認められなかった。 今後の食教育において各地域における食文化や郷土料理を伝承させることも重要であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度までに福岡県と沖縄県両県の中学生を対象とした調査の解析および腸内細菌叢の分析は完了し、その関連についての解析も終了している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)腸内環境改善のための中学生の日本型薬膳食育プログラムを開発する。(2)腸内環境改善の食育プログラムは、マルチ・プロジェクターを使用して、ビデオやカメラの映像を視覚で学ばせる。プログラム内容を作成し、実施後効果の評価をする。食育プログラムの行動目標に到達させるために、食育資料の作成、保護者の啓発、食習慣が改善するように指導する。(3)プログラムの評価 中学生を対象に実施した食事や食習慣に関する実態と活動、排便習慣と腸内細菌との関わりについて明らかにし、腸内環境改善のための日本型薬膳プログラムを腸内細菌叢と排便状況について評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
腸内細菌叢の分析の同意があまり得られなかったため次年度使用額が生じた。この費用は福岡県と沖縄県両県の食育指導のための旅費交通費として使用する予定である。
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