研究課題/領域番号 |
17K00951
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研究機関 | 長岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
菅原 正義 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30259840)
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研究分担者 |
奥村 寿子 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (20600018)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高アミロース米 / 湿熱処理 / 血糖値 |
研究実績の概要 |
難消化性デンプン含量を指標として、高アミロース米品種「越のかおり」白米に、0.1、0.2 、0.3MPaの水蒸気を用いて2、5、10分間の湿熱処理を行った。湿熱処理は、加水しない水分15%の白米に直接水蒸気で加熱処理で、低水分であるためデンプンが糊化することなく、水素結合の形成により結晶性が向上する処理である。その結果、0.3MPa、10分間処理が適当であることが確認され、以後の実験はこの処理条件で実施した。 ラボスケールの湿熱処理装置で試作した高アミロース米米粉のin vitroの消化速度、ラットに投与して血糖値上昇、消化管通過時間、肝臓中の脂質・糖代謝関連酵素活性(アセチル-CoAカルボキシラーゼ,クエン酸シンターゼ,脂肪酸シンターゼ,イソクエン酸デヒドロゲナーゼ,ピルビン酸キナーゼ,グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ, カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2,グルコキナーゼ)を測定した。湿熱処理によりデンプン消化速度の低下、血糖値上昇抑制、消化管通過時間の短縮効果があることを確認した。 肝臓中の酵素活性から、グリコゲン生合成は亢進したが、脂肪合成は変化しなかった。以上の結果から、高アミロース米の湿熱処理によりデンプンの消化性が低下し食後血糖値の急な上昇がおこらないため、インスリンの分泌量が減少しインスリンシグナルによる肝細胞へのグルコース量が減少したため、グリコゲン合成は亢進したが、脂肪酸合成までは至らなかったと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
湿熱処理装置のボイラー故障により試料調製が遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
湿熱処理装置のボイラー故障により試料調製が遅れていたが、調製できたため動物実験を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ボイラー故障のため2回目の動物実験用試料調製が遅れ、動物実験を実施できなかった(現在、実施中)
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