研究課題/領域番号 |
17K00956
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
中野 博之 弘前大学, 教育学部, 教授 (30400120)
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研究分担者 |
清野 辰彦 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00550740)
早川 健 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40585387)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 深い学び / 現職教員研修 |
研究実績の概要 |
令和元年度は2度に渡る「深い学び」の理解を主目的とした研修会の実施を行った。この研修会では,受講者の授業実践までは至らなかったが,参加教員の意識を変えることには貢献できたことが研修会の後のアンケート調査では明らかになった。研修会の意図としては,子どもに深い学びを実現させるには,秋月・中嶋による先行研究で述べられてることに基づき,まず,教師自身が「深い学び」を経験することが重要であるという考えを基盤においた。そこでは,これまで違って見えた問題が,教師(この場合は研修会の講師)によって,「同じ」と見ることができること,この「同じ」と見るためには本人自身が相当思考しなければならないならないことを経験によって実感させようと考えたものであった。なお,研修会の詳しい検証については,分担者の中の1名が平成31年1月に入院し,令和元年9月まで職場に復帰できなかったことで,行えていない。 別の実績としては,算数教育では大きな課題である「割合」の指導について,教員研修実施のための1つの資料とするために,本研究の助成を受けて研究代表者と分担者の他3名と共同研究を行い,学会誌(査読有)で発表をした。この研究では,一般的には割合を求める公式を暗記させることで,割合の理解を進めようとする小学校教員に対して,整数の段階から「1とみる見方」を基にした倍の見方を潤沢に行うこと,さらにはその逆の分数倍の見方を扱うことで,高学年の小数倍に統合され「深い学び」の実現と共に「割合」の意味が理解されることを明らかにした。こうした,統合に基づいた教材研究の在り方は,本研究を進めるにあたって大きな資料となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分担者の中の1名が平成31年1月に入院し,令和元年9月まで職場に復帰できなかったことで,研修会の効果検証が行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,新型コロナウイルス感染拡大防止対策の影響も見据えながら,昨年度の研修会の省察を踏まえて新たに研修会を行い,昨年度の実践と合わせてその効果検証を行う。また,小学校算数科の大きな課題である「割合」の指導についても,研修会の進め方の資料としてさらに実践研究を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者の中の1名が平成31年1月に入院し,令和元年9月まで職場に復帰できなかったことで,行えていない。 繰り越し金で,今年度も引き続き研修会の実践を行うと共に昨年度行うことができなかった,本研究の分担者との会議及び資料収集を行う。なお,会議は研究代表者と分担者の中間地点である東京で行う予定である。また,資料収集は日本数学教育学会秋期研究大会が行われる高知大学及び教職大学院協会の研究集会が行われる東京を予定している(新型コロナウイルスの感染状況によっては変更もある)。 さらに,今年度から改訂されている6社の小学校算数科検定教科書も購入予定である。
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