研究課題
最終年度として、太陽の多波長観測環境の構築を目指した。一昨年度に導入した「天体観測用望遠鏡格納庫」内に、今までは簡易的に赤道儀を設置していたが、強固かつ太陽の長時間の追尾が可能なように再設置を行った。また温度湿度をモニターするようにし、また除湿機を設置した。そして、常時太陽を観測できるように、黒点観測用の白色光用の望遠鏡と、彩層観測用のHa望遠鏡を設置して、秋口から晴れた日には太陽を観測している。昨年までに開発してきた大気擾乱観測装置も、上記の二つの望遠鏡に載せる形で、同時に観測している。このように太陽観測画像と、その上空大気の状態を観測し、データの質的な指標を評価することは、他の観測施設では行われておらず、本研究の重要な成果の一つである。昨年から行っている専用太陽分光観測装置の改良のため、室内実験を進めた。分光器の原理の理解と共に、小型汎用で可搬式にするための、調整箇所の確認を行いながらであった。そして、この小型可搬式の分光器を手掛ける業者と連絡を取り、試作品の評価と上記の実験からのフィードバックを元に、定常的に観測するための試験観測を行い、これから専用装置の開発に繋げることができた。太陽電波観測装置は常時観測しているが、現在太陽活動が極小期であるため、フレアが発生せず、観測はできなった。また流星電波観測も常時始めており、太陽活動が地球高層大気に与える影響の長期変動を観測するデータも蓄積しつつある。このように本研究の目的である分光観測を深化させた装置と共に、様々な太陽観測システムの常時観測を行い、科学教育への導入としての成果をおさめている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
Stars and Galaxies
巻: 2 ページ: id:4-1, 11
http://www.env.sci.ibaraki.ac.jp/k5/index.html