光と音に振れるラボ・スイートの開発

2019 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 17K00964
• 研究機関: 福井大学
• 研究代表者: 内田 聡子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (60334843)
• 研究分担者: 田村 圭介 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (30212046)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: 科学教育

研究実績の概要

本研究では、光と音に関する実験・工作・シミュレーションなどの一連の体験学習から構成される教育プログラム --ラボ・スイート(Lab Suite) -- を開発する。光と音は、人間の五感である視覚と聴覚で認識できるため学習者にとって身近な物理現象である。そこで光と音に関する体験学習の積み重ねにより、実感を伴った確かな知識と、思索し判断する能力を養うことができる教育プログラムの構築を目指す。本研究で開発される教育プログラムは一連の体験学習により構成されるので、その展開方法により、様々な学習者を対象に実施することができる。特に、医学系学生（医学・看護学・歯学・薬学等）の物理教育、理工系学部の初年次教育における専門課程学習への動機付け、文科系学生の科学リテラシー教育、初等・中等教育機関での課外授業、幅広い年齢層を対象とした公開講座などにおいて、効果的に活用できる。体験学習教材の集合体から、学習対象者や時間に応じて、一部を選択して教育に実践できるように整備する。
令和元年度は、レンズの曲率と焦点距離の関係について体感により学ぶことができる実験装置の開発・改良を行った。また、気柱の共鳴の音圧分布について分かり易く示す実験装置の改良を行った。これまでに開発・製作・改良した実験装置は、福井大学公開講座「わくわく物理実験室」での演示実験の一部として実践した。参加者は小中高校生・保護者・教育関係者で、参加者自身が実験する形式で行った。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに、耳の機能や音の性質、レンズのはたらきを分かり易く示す実験装置の開発・製作・改良を行った。また、これらの実験の一部を福井大学公開講座「わくわく物理実験室」において実践した。

今後の研究の推進方策

これまでに実践した内容に基づき、実験内容の精選、実験装置の改良・開発・製作、教育プログラムの作成を行う。また開発・製作した実験を公開講座等で実践する。更にこれらの成果をまとめ、発表を行う。

次年度使用額が生じた理由

調査研究として教育施設の視察を予定していたがウェブサイトの論文や画像により多くの情報が得られた。一方で、開発した教育機器の発展として、本研究の目的に鑑み、新たな実験装置を開発・改良中である。そこで、視察の旅費を実験装置の開発・改良や実践時の材料・消耗品、また成果発表に関する費用として使用する。
また実践に際して、福井大学公開講座「わくわく物理実験室」では、学生が授業の一環として参加者に実験の演示・指導を行った。このためTA報酬に関する支出を控えることができた。この費用も、実験装置の開発・改良や実践時の材料・消耗品、また成果発表に関する費用として使用する。