本研究では、光と音に関する実験・工作・シミュレーションなどの一連の体験学習から構成される教育プログラム --ラボ・スイート(Lab Suite) -- を開発する。光と音は、人間の五感である視覚と聴覚で認識できるため学習者にとって身近な物理現象である。そこで光と音に関する体験学習の積み重ねにより、実感を伴った確かな知識と、思索し判断する能力を養うことができる教育プログラムを探求する。本研究で開発される教育プログラムは一連の体験学習により構成されるので、その展開方法により、様々な学習者を対象に実施することができる。特に、医学系学生(医学・看護学・歯学・薬学等)の物理教育、理工系学部の初年次教育における専門課程学習への動機付け、文科系学生の科学リテラシー教育、初等・中等教育機関での課外授業、幅広い年齢層を対象とした公開講座などにおいて、効果的に活用できる。体験学習教材の集合体から、学習対象者や時間に応じて、一部を選択して教育に実践できるように整備する。 令和4年度は、光の三原色について体験により学ぶことができる実験手法を開発した。また、これまでに開発・製作した実験装置の改良および文書化を行った。開発・製作・改良した実験装置および手法は、福井大学公開講座「わくわく物理実験室」および美浜町エネルギー環境教育体験館の電子工作教室で実践した。参加者は小中学生とその保護者で、参加者自身が実験・工作する形式で行った。
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