研究チームのメンバーだけでなく、博物館ボランティア、高校生、大学生など一般の方を合わせた約30名に参加してもらい、石ころに秘められた大地の歴史や魅力を1枚のイラストとして表現するワークショップを開催した。ワークショップで試作したイラストを基に、12枚の石ころイラスト(花崗岩・安山岩・かんらん岩・溶結凝灰岩・砂岩・チャート・石灰岩・メランジュ・片麻岩・ホルンフェルス・緑色岩)を完成させた。 長野県の主要9河川の石ころ標本・12枚の石ころのイラストなどを活用して長野市立博物館で企画展(石ころものがたり~アンダーグラウンド長野~)を開催した。また、飯田市美術博物館では、石ころ標本の一部(千曲川・犀川・中田切川・小渋川)を活用したトピック展(石ころから探る長野県の大地)が開催中である。野尻湖ナウマンゾウ博物館の春期企画展(石ころ大冒険)の関連講座(長野県の地質と大地の生い立ち-岩石鑑定入門-)で竹下が講師を務め、石ころ標本と長野県デジタル地質図を活用した。 研究メンバーの1人が勤務する県内の中学校にて、地質図と学校付近の河川(女鳥羽川)の河原を利用した授業を実践し、地質図を使って河原の石ころを観察することは、岩石のおもしろさを理解するために有効であることがわかった。また、昨年度に引き続き長野県総合教育センターの講座として、長野県デジタル地質図と石ころ標本を活用した大地の生い立ちと岩石の鑑定法を学ぶプログラムを実施し、県内の小中高校の教員に普及した。 県内の主要9河川の石ころ標本とその解説を「長野県の石ころ図鑑」として、12枚の石ころイラストとその解説を「石ころ妄想図鑑」としてまとめ、昨年度立ち上げたホームページに追加し、地域密着型地質データベース(https://www.shinshu-u.ac.jp/project/chishitsuzu/)を完成させた。
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