研究課題/領域番号 |
17K00966
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
長 昌史 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (50332721)
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研究分担者 |
中村 洋 京都大学, 工学研究科, 教授 (90243162)
井田 大地 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80610518)
吉崎 武尚 京都大学, 国際高等教育院, 特定教授 (90230705) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高分子化学 / 機能性高分子化合物 / 吸水性ポリマー / 温度応答性ゲル / 光硬化性樹脂 / 高校化学 / 化学教育 / 化学教材 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高校化学で合成高分子化合物の教育・実習に利用できる新しい高分子化学実験教材の探求・開発を行うことであり、高校化学において利用できる機能性高分子化合物の実験教材を開発し、高校化学における高分子化学の内容をより印象深いものにすることを目標にしている。具体的な機能性高分子化合物の教材として、「ポリビニルアルコールゲル(スライム)」「吸水性ポリマー」「温度応答性ゲル」「光硬化性樹脂」などを研究対象としている。 令和2年度においては、温度応答性ゲルに関して、本来は無色透明であるポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPA)のハイドロゲルを染色する方法を確立し、様々な色の着いた温度応答性ゲルを作成できるようになった。分子構造にスルホ基を持つアゾ染料を,重合前の反応溶液中に添加しておくことで、着色して容易には脱色しないPNIPAのハイドロゲルを作成できることがわかった。着色したPNIPAハイドロゲルについて、膨潤度の温度変化を調べたところ、ゲル中の色素分子はゲルの温度応答挙動に影響を及ぼさず、色素を含まないPNIPAゲルの場合と同様に、33~34 ℃付近で体積相転移が見られることを確認した。本教材を用いた授業実践を実施し、化学実験教材としての有効性を確認した。これらの成果について、研究論文として報告した。 研究機関全体を通じて、けん化度が異なるポリビニルアルコールを用いて作成したスライムに関する化学実験教材、ポリアクリル酸を架橋反応して合成される吸水性ポリマーに関する化学実験教材、PNIPAを材料に用いた様々な色の着いた温度応答性ゲルに関する化学実験教材の作成方法を確立し、これらの教材を用いた授業実践を実施した。それぞれの教材に関して得られた知見を研究論文にまとめて発表した。また、得られた知見は、日本化学会東海支部化学教育討論会における特別公演においても発表した。
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