研究課題/領域番号 |
17K00977
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
高橋 尚志 香川大学, 教育学部, 教授 (80325307)
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研究分担者 |
大浦 みゆき 香川大学, 教育学部, 教務職員 (70346625)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ワイヤレス / センサー機器 / 力学台車 / FCI到達度テスト / アクティブラーニング |
研究実績の概要 |
平成29年度の当初計画のうち、ICT活用の新たな取り組み・大学での試行を中心に研究を進めた。それは、中心機器となる新型ICTサーモグラフィーの計画及びリリース遅延に伴うものである。よって、熱教材関係の計画を翌30年度に移し、AL(アクティブラーニング)化への課題に注力した。具立木には次の通りである。 個別実験や演示実験を多用するALの手法は、高い効果が得られることが示されている(例えば、レディッシュ著「科学をどう教えるか」などに詳しい)が、一方で実験に使われるICT機器であるセンサー類の特性の制限により、使える範囲や用途が限られてしまっている。これを乗り越えるために、一つには現行のものをより使いやすく改良すること、また、プログラムを工夫して機器の性能をカバーする工夫をすることが求められる。パスコ社が米国で販売を開始したワイヤレスのセンサーシステムを備えた力学台車が日本でもスマートカートという名称で島津理化より販売されたので、早速リリース後間もない当該機器を購入して活用した。従来のものとの比較も行う必要があるので、例年旧型のセンサー機器を使用してAL授業を行っている物理学概論Iにおいて、これも例年到達度を測っているFCIテスト(世界標準の力学分野の到達度テスト)を行って評価検証した。それによれば、力学分野での学生の理解度にはそれほど大きな差が出てはいないものの、授業実施者である教師側の装置の使い勝手や準備に格段の進展が見られ、効率化をはかることが出来き、授業時にもワイヤレスの優位点を活かし離れたところからの操作投影などが可能であり、学生の評判も良かった。ワイヤレス教材は、力学台車のみならず、これまでUSBのワイヤーを張り巡らせた実験環境であったものがワイヤレス化可能な製品として出されてきており、現在は映像教材への拡張を目指し研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大きく分けて二つの計画のうち、アクティブラーニングプログラムに関しては成果で述べたとおり進んでいるが、もう一つの柱であるサーモグラフィーを用いた教材の開発改良については、メーカーより年度途中での製品リリース案内があり、年度中での物品納入等に困難が生じ対応が遅れてしまったため、30年度計画へ後ろ倒しすることとした。これが遅れの理由である。
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今後の研究の推進方策 |
経費の使用が認められたら速やかに必要物品の見積もり発注へとすすみ、教材化への課題に取りかかることとす。また、アクティブラーニングの課題については29年度に行った同一の授業において前年同様新規導入機材を用いた授業を展開し、FCIテストで成果を測ることとする。また、夏にアクティブラーニングの専門家であるD.Sokoloff氏を大学に招き研究討議やワークショップ開催することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定のもののリリースが遅れたため、それを用いたものを次年度送りとした結果次年度使用額が生じた。新年度の費用が使用可能となり次第見積もりをとり導入を急ぐ予定である。他の物品等については、計画通りの執行予定である。
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