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2017 年度 実施状況報告書

中学校数学科「関数」領域における課題探究型の説明学習に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K00979
研究機関福岡教育大学

研究代表者

岩田 耕司  福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (90437541)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード中学校数学 / 関数 / 証明 / 説明 / 数学的モデル化
研究実績の概要

本研究の目的は,中学校数学科の領域「関数」における課題探究型の説明学習の学習水準の移行過程を実証的に明らかにすることである。研究1年次としての本年度は,中学校第1学年を対象に(1)学習水準の移行過程に基づき意図される学習活動を単元「比例と反比例」において具現化すること,(2)授業実践を通して各授業化の成果と課題を明らかにすることを主な目的とし,研究を進めた。まず,中学校第1学年における学習水準の移行過程に基づき意図される学習活動を,本研究では次のような「反比例」を題材する授業として具現化した。
[1時間目(O→(O, C2))の概要](問題)温めの目安が500Wで4分0秒,1000Wで2分0秒,1500Wで1分20秒のお弁当がある。800Wの電子レンジでは,何分何秒温めればよいか。(めあて)800Wのレンジでの温め時間を予想し,その予想が正しいことを簡潔に説明しよう。(まとめ)予想が正しいことの説明には,次の3つ(利用した関数とその根拠,関数の式とその使い方,予想)が必要である。
[2時間目((O, C2)→(P2, C2))の概要](問題)あるナースウォッチでは,20回の脈拍にかかる時間から1分間の脈拍数を予想できる。例えば,20回の脈拍にかかる時間が15秒のとき1分間の脈拍数は80回,20秒ならば60回と予想できる。20回の脈拍にかかる時間が24秒のとき,1分間の脈拍数は何回と予想できるか。(めあて)1分間の脈拍数を予想し,3つの視点を使って予想が正しいことの説明を作ろう。(まとめ)3つの視点を使うと簡潔で分かりやすい説明を作ることができる。
また,授業実践を通して明らかになった事柄は次の点である:a)3つの視点をもとに説明を構想することは説明を自律的に構成する一つの手立てと成り得ること。b)説明の構成の授業では発見と正当化の文脈を切り分けて指導することが求められること。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度では,中学校第1学年を対象に,学習水準の移行過程に基づき意図される学習活動を単元「比例と反比例」において具現化し,授業実践を通して各授業化の成果と課題を明らかにすることを目的としていた。その目的は概ね達成していると考える。

今後の研究の推進方策

平成30年度では,中学校第2学年を対象に,学習水準の移行過程に基づき意図される学習活動を単元「一次関数」において具現化し,授業実践を通して各授業化の成果と課題を明らかにすることとしている。授業開発や授業実践の円滑な実施が可能となるよう,研究協力者と密に連絡を取り合い,余裕を持って取り組むことが重要と考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 領域「関数」における課題探究として証明することの授業化-第1学年の単元「比例と反比例」-2017

    • 著者名/発表者名
      岩田耕司,永海哲広,原島裕美
    • 雑誌名

      日本科学教育学会『第41回年会論文集』

      巻: - ページ: 41-44

  • [雑誌論文] 数学的プロセスからみた教育課程の特徴付け-領域「関数」に焦点を当てて-2017

    • 著者名/発表者名
      岩田耕司
    • 雑誌名

      日本数学教育学会『第5回春期研究大会論文集』

      巻: - ページ: 145-148

  • [学会発表] 領域「関数」における課題探究として証明することの授業化-第1学年の単元「比例と反比例」-2017

    • 著者名/発表者名
      岩田耕司,永海哲広,原島裕美
    • 学会等名
      日本科学教育学会第41回年会
  • [学会発表] 数学的プロセスからみた教育課程の特徴付け-領域「関数」に焦点を当てて-2017

    • 著者名/発表者名
      岩田耕司
    • 学会等名
      日本数学教育学会第5回春期研究大会

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公開日: 2018-12-17  

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