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2017 年度 実施状況報告書

高精細3D再構築画像を用いたインタラクティブ電子教材の開発と生命科学教育への活用

研究課題

研究課題/領域番号 17K00981
研究機関北里大学

研究代表者

小畑 秀一  北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10204273)

研究分担者 門谷 裕一  北里大学, 医療衛生学部, 教授 (10185887)
林 徹  北里大学, 医療衛生学部, 講師 (10454266)
木村 武俊  北里大学, 医療衛生学部, 助教 (80327444)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードデジタル教材 / 光学顕微鏡画像 / 立体再構築 / 科学教育 / 生命科学 / 動物胚
研究実績の概要

両生類胚(変態直前の時期の胚)を対象に,(1)最適な試料作成法の確立,(2)連続切片の効率的回収法の確立,(3)光学顕微鏡写真の撮影,(4)写真の連結法の確立,(5)連結写真の圧縮法の確立,(6)全写真の向きの整列法の確立を行うことを目標に研究を開始した。その結果,(1)グルタールアルデヒドとフォルムアルデヒドの混合固定液に浸漬するだけでは胚内部の固定が不十分であり,これを解消するためには,上記の固定液とマイクロウェーブの併用が効果的であることが分かった。また,(2)連続切片の効率的回収を目指して,独自の装置の試作・改良を行い模索したが,結果的にうまくいかなかった。現在のところ,作成した切片を1枚ずつ拾い上げるという原始的な方法が最も高い確率で全切片を回収できるという結果に落ち着いている。ただし,切片を回収するためのまつ毛プローブには独自の工夫を施した。また,当初,0.5マイクロメートルの厚みの切片を作成して実験を進める予定であったが,1mmの領域の試料を得るためには2,000枚の連続切片を作成する必要があり,効率的切片回収法を確立する目的には非現実的であったので,切片の厚みは1マイクロメートルに変更した。(3)光学顕微鏡写真撮影に関しては3通りの方法を試した。高精細な画像を得るためには高い開口数を持つ対物レンズを使用することが必須であるが,4倍または10倍の対物レンズでの撮影も行った。(4)写真の連結,(5)連結写真の圧縮,および (6)全写真の向きの整列は,IMEやImageJなどのフリーソフトを利用することで問題なく実施可能であることが確認できた。約1,000枚の連続切片は50枚~100枚のスライドグラス上に回収されている。これら全ての切片をできるだけ均一に染色する方法も考えねばならないことが途中で判明したが,これについても可能な方法をほぼ確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に記した(1)~(6)の項目について検討を行い,一部で研究開始前の予想とは異なる結果に至ったものもあったが,おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

初年度の研究において,試料の固定から始まり,3D再構築画像を作成するまでの一連の全過程で必要な方法は見出すことができた。2年目は,当初の予定通り,初年度に確立した方法を用いて,より多くの構造の3D再構築画像を作成することを目指す。さらに,作成した再構築画像から目的の構造のみを取り出す(セグメンテーションとよぶ)方法の確立も目指す。教材としての利用を考えると,セグメンテーション法の確立を避けて通る訳にはいかない。これらを実施するにあたり,本研究の目的のひとつでもある徹底的なフリーソフトの利用を目指すことは当然であるが,市販の3D再構築画像作成ソフトウエアも有効に利用する。これにより,フリーソフトの利用により何ができて何ができないのかを明確にすることができるとともに,フリーソフトを利用して作成した3D再構築画像やセグメンテーション画像の正確性の検証を行うこともできる。

次年度使用額が生じた理由

次年度は初年度より多くの種類の試料を作成する。そのために必要な薬品(試料固定のための薬品,試料包埋剤など)代および顕微鏡写真保存のためのメディア代として追加する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 原腸胚形成における胚細胞の自律的な運動のしくみとその役割2018

    • 著者名/発表者名
      高野和敬,小畑秀一,増本三香,浅島 誠,永島雅文
    • 学会等名
      第123回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [学会発表] 胎仔マウス顎下腺の発生における脱メチル化制御機構2018

    • 著者名/発表者名
      林 徹,門谷裕一
    • 学会等名
      第123回日本解剖学会総会・全国学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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