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2019 年度 実施状況報告書

理工系教育分野における教員支援FDプログラム開発と体系化

研究課題

研究課題/領域番号 17K00982
研究機関芝浦工業大学

研究代表者

榊原 暢久  芝浦工業大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30235139)

研究分担者 吉田 博  徳島大学, 高等教育研究センター, 講師 (80619908)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード高等教育開発 / FD / 理工系 / 講義形式授業 / 発問
研究実績の概要

2012年の中教審による質的転換答申以降、多くの大学ではアクティブ・ラーニングの導入がより一層進んだ。それは、この答申を受けて始まった「大学教育再生加速プログラム」選定校各校の成果報告からも見てとれる。その一方、アクティブ・ラーニングを導入するだけでなく、各授業の達成目標に到達するように学生の学びを保証するためには、適確な授業デザインが欠かせない。学生の学びを保証する授業デザインには、学期を通しての授業デザインと、1回ごとの授業デザインが必要である。榊原は、工学系数学教育に関する学生の学びを保証する授業デザインを提案した.また,榊原と吉田は、理工系科目にアクティブ・ラーニングを効果的に導入するための授業デザインに関するFD研修を学内外で多く担当しているが、理工系講義科目で、達成目標に到達するように学生の学びを保証しつつ、高い活動性や双方向性を維持するのは容易なことではない。そのためには、周到な授業デザインだけでなく、教員の適切な発問やファシリテーションも必要だからである。
本研究の課題1として、学生が題材を理解していく過程や問題点に関する経験知を効果的に増強し、結果として講義の双方向性を高める教員からの発問例を、工学系の1変数微分積分の各授業において示し、発問を中心にすえた授業デザインを提案した。
課題2として、理工系教員集団が教育改善を進めていくための教員支援として、課題1により明らかにする効果を学内外で紹介・提案するFD 研修プログラムを改訂・実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

【研究実績の概要】に述べたように、各授業の達成目標に到達するように学生の学びを保証する講義を設計し、それを支援するFDプログラム開発が必要である。
本研究の課題1では、学生が題材を理解していく過程や問題点に関する経験知を効果的に増強し、結果として講義の双方向性を高める教員からの発問例を、工学系の1変数微分積分の各授業において示し、発問を中心にすえた授業デザインを提案した。
課題2として、理工系教員集団が教育改善を進めていくための教員支援として、課題1により明らかにする効果を学内外で紹介・提案するFD 研修プログラムを改訂・実施した。
必要な授業デザインの提案、FD研修プログラムの開発、これらの実施・改訂していくレベルまで進んでいることから、この研究がおおむね順調に進んでいると考えられる。

今後の研究の推進方策

課題1として、学生が題材を理解していく過程や問題点に関する経験知を効果的に増強し、結果として講義の双方向性を高める教員からの発問例を、工学系の多変数微分積分の各授業において示し、発問を中心にすえた授業デザインを提案する。また、学生の学びがどのように進んだかについて、学生の質的変化、成績、学生アンケートの記述等によって検証し、論文として投稿する。
課題2として、開発したプログラムを学内外で実施し、必要な改善点を参加教員からのアンケートや追跡調査などにより明らかにし、プログラムの改良を行う。

次年度使用額が生じた理由

(理由)開発したWSを実施する際に必要な旅費が想定したほど必要としなかった。また、研究資料等についても、今年度については既存資料によりまかなうことができたため、次年度使用額が生じた。
(使用計画)開発したWSプログラムを改訂するため、関連する研修を受講する。このために、旅費を支出する。また、研修プログラム開発のために新刊の文献資料を購入する。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (14件) (うち招待講演 9件)

  • [学会発表] ルーブリックを用いた評価と学修ポートフォリオ2020

    • 著者名/発表者名
      榊原暢久
    • 学会等名
      目白大学保健医療学部FD研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] 授業設計ワークショップ 100分授業の設計の仕方2020

    • 著者名/発表者名
      榊原暢久
    • 学会等名
      京都橘大学全学FD学習会
    • 招待講演
  • [学会発表] アクティブ・ラーニングを促す授業設計2020

    • 著者名/発表者名
      榊原暢久
    • 学会等名
      玉川大学FD研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] 理工系講義形式授業でのアクティブ・ラーニング~授業設計の必要性2019

    • 著者名/発表者名
      榊原暢久
    • 学会等名
      日本大学生産工学部FDSD研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] 理工系講義形式授業における発問を中心にすえた授業デザイン2019

    • 著者名/発表者名
      榊原暢久、吉田博
    • 学会等名
      SPODフォーラム2019
    • 招待講演
  • [学会発表] 理工系FDプログラム半期の授業設計から発問設計へ2019

    • 著者名/発表者名
      榊原暢久、吉田博
    • 学会等名
      SPODフォーラム2019
  • [学会発表] アクティブ・ラーニングを機能させるための半期の授業設計・1コマの授業設計2019

    • 著者名/発表者名
      榊原暢久
    • 学会等名
      大学セミナーハウス第9回新任教員研修セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 学生の学修を促進する詳細シラバスとその活用法2019

    • 著者名/発表者名
      榊原暢久
    • 学会等名
      秋田県立大学システム科学技術学部FD講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] ルーブリック評価入門2019

    • 著者名/発表者名
      榊原暢久
    • 学会等名
      大阪府立大学工学FDセミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 半期の授業デザインWS「13回に減らす」からより学びを深くする授業へ2019

    • 著者名/発表者名
      榊原暢久
    • 学会等名
      名城大学薬学部FD研修会
    • 招待講演
  • [学会発表] 徳島大学における「授業設計ワークショップ」の成果と課題2019

    • 著者名/発表者名
      吉田 博、川野卓二、塩川奈々美、上岡麻衣子
    • 学会等名
      大学教育カンファレンスin徳島
  • [学会発表] 徳島大学における学習支援Study Support Spaceの充実に向けて2019

    • 著者名/発表者名
      大槻智一,一居航平,藤原誠哉、中井秀和、向井将馬、山本豪、遠藤博文、塩川奈々美、吉田 博
    • 学会等名
      大学教育カンファレンスin徳島
  • [学会発表] ラーニングポートフォリオを用いた振り返りによる効果2019

    • 著者名/発表者名
      吉田博
    • 学会等名
      SPODフォーラム2019
  • [学会発表] ラーニングポートフォリオを活用した授業における学習の振り返りに関する考察2019

    • 著者名/発表者名
      吉田 博、川野卓二
    • 学会等名
      大学教育再生加速プログラム テーマⅠ:アクティブ・ラーニングシンポジウム

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公開日: 2021-01-27  

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