研究課題/領域番号 |
17K00984
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
三石 初雄 帝京大学, 付置研究所, 教授 (10157547)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生活科 / 日韓比較研究 / 教科書比較 / 自然・環境学習 / ヤマネコ / 環境保全 |
研究実績の概要 |
1.「カリキュラム開発・評価に関する枠組み」に関しては、韓国における近年のカリキュラム改革の典型的事例であり、学校入門期の教育活動の在り方が端的に表れていると考えられる、生活科教科書の大幅変更の実際に焦点を当てた。韓国の生活科教科書を入手し、その典型的変更部分の特徴、変更の趣旨を検討/考察した。 2.生活科ならびに総合的な教育活動における評価観点とその実施状況に関しての具体的事例として、自然学習、環境学習に焦点を当てることとした。具体的には、韓国と日本(対馬・西表島)に生息するヤマネコ(絶滅危惧種)の生態・形態等に関する認識とヤマネコの保全に関する認識と行動に関しての焦点を当てることとした。 3.「今日の学校・授業に関する実態調査」に関しては、日本の西表島内の小中学校における自然/環境学習の実態に関しての調査とともに、教員の自然・環境(イリオモテヤマネコ等)に関する関心と、教材研究・授業研究に関する実際を調査した。 4.西表島における現職教員研修の指導資料の作成を通して、教材研究と授業研究の現実的な課題に関しての基本情報を得ることができた。 5.韓国に関しては、韓国の教員との連絡が十分に取れず、韓国の研究者との研究動向に関しての意見交換を行うにとどまった。そこでは、生活科と総合的な学習形態に焦点を絞り、日韓での授業実践プランの比較検討の可能性を探るとともに、授業プラン作成と授業実践場面での現実的な課題と教師の授業研究を進める条件に関して情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.昨年度は、比較対象を、自然/環境学習としての「ヤマネコ」に設定することとし、その比較内容と比較方法に関しての基本的な作業を進めることができた。 2.日本国内においては、絶滅危惧種であり関心も高くなっている日韓両国に生息する「ヤマネコ」とし、①日本側ではとりわけイリオモテヤマネコに関しての基本情報と、②ヤマネコ学習に関する本質的学習内容の抽出を行い、③その学習内容を指導するに当たって前提となる教員の授業づくりのための研修内容を施策することができてきた。 3.ただ、日韓比較研究として進めるという目的に関しては、近年、韓国の学校関係者との情報交換・授業参観等の交流が取りにくくなっており、授業参観はVTRにおいて行ってきているが、直接の参観と授業研究・意見交換をすることができていない。次年度には実現できるよう準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
1.次年度の予定としては、①韓国のカリキュラム編成原理と指導内容・方法・形態、教科書等に見られる整合性・対応関係からみた可能性と課題に関して考察を加え、②日本での2020年度以降に全面実施される低学年授業に関する先行的な授業実践の実施状況も加味して、比較検討を試み、③それらの類似性と差異性の分析・考察を行う。 2.授業研究での具体的な比較研究は、ヤマネコ学習を対象化した「自然と人間の共生を考える」授業に関して実施できるように準備をする。そのためにまずは、西表島での、①授業構成、教材づくり、②教師としての指導参考資料作成、③授業参観を伴う授業研究を選考させる。 3.韓国での授業実践の可能性を探りながら、少なくとも韓国生活科のカリキュラム編成原理と指導内容・方法・形態、教科書等に見られる整合性・対応関係についての考察を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.前年度、予定していた小学校/教師との授業比較に関しての渡韓をすることができなかった。そのために、行えなかった韓国との授業比較のための訪問調査と研究調査のために、共同研究者と複数回に渡り、旅費を執行予定である。 2.比較研究対象となっている、西表島への共同研究者との訪問調査を実施する。 3.比較授業のための具体的な授業指導案作成とそのための指導資料づくりのための、謝金を執行する予定である。
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