研究課題/領域番号 |
17K00989
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
兼宗 進 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (00377045)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | プログラミング教育 / 情報科学教育 |
研究実績の概要 |
本研究では初学者がプログラミングを理解する過程を解明し、学習者の作成したプログラムと理解のレベルの関係を明らかにすることを目的とする。 1年目である平成29年度では、主に(1)初学者のプログラミング理解過程の分析と理解モデルの構築と(2)教育用プログラミング言語における作品評価モデルの検討を行った。まず初学者のプログラミングの理解過程を分析し、その理解モデルを構築するために複数の教科書を分析し、プログラムを理解するために必要な学習要素と学習要素間の依存関係をモデル化した。次にプログラムに含まれる構文要素を自動抽出するシステムを開発し、学習者が作成したアニメーションやゲームなどを含む多様なプログラムを分析することで、作成したプログラムと学習者の理解度との関係を明らかにした。 次に初等中等教育で利用されている実績のある教育用プログラミング言語を調査することで、作品評価における汎用言語との違いを明らかにした。 2年目である平成30年度では、前年度に得られた成果を発展し、(3)小学校・中学校・高等学校の新学習指導要領の内容との対応分析および授業での評価実験および(4)得られた知見のC言語など汎用プログラミング言語教育への適用において検証し、授業で効果的に活用するための授業案問うを公開した。 小学校においては、低学年、中学年、高学年のそれぞれの発達段階に応じたプログラミングの内容を検討し、その成果を3冊のドリル教材として出版した。中学校においては、小学校から中学校までの一貫したプログラミング教育の流れとして、適切な授業モデルを提案した。高等学校においては、本研究の成果を学習指導要領の検討に反映し解説を出版するとともに、文部科学省からPythonとドリトルなどの言語に対応した教員研修用の資料を出版した。また、センター試験の問題記述言語であるDNCLを授業で利用するためのオンライン教材「どんくり」を開発しWebで公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究により得られた知見をもとに、書籍や学術論文などの成果に結びつけることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今のところ順調に研究を進められていることから、今後は平成29年度と平成30年度の成果を継続し、引き続き予定されている実施計画を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果の発表において学内予算等を使えたことにより旅費を節約できた。翌年度は調査データの収集・整理・分析などの作業が発生するため有意義に活用したい。
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