研究課題
本研究では、学習者が工学的センスや応用力を養うことを念頭に、座学科目の中に実験等の教材を組み入れた教授法と独自の教材開発を行った。対象科目の材料力学では、引張、曲げ、ねじりの様々な荷重形態で応力と変形の関係について学ぶが、それぞれの応力の概念が異なるため、理解を困難にしている。ここでは、実験力学手法を用いて、樹脂系材料について応力や変位の「見える化」を実現する教材開発を通じて、材料力学で学ぶ様々な概念理解の促進を目指した。教材は、応力や断面二次モーメントのような、目で見ることの出来ない概念や、ひずみ、たわみやねじり角などの様々な負荷形態での変形現象を視覚化することで、教科書によって与えられたそれぞれの評価式を理解する上で有効であった。また、学習者の自学自習を促すことを目的に、記述ノート形式演習用教材を作成した。これは、材料力学を学ぶ上で重要な項目をまとめたもので、ノート中に適宜穴埋め箇所を設けて、学習者が教科書と平行して記述式ノートを進めることで、重要な事項や考えるヒントを与えるものである。これらの教材開発を通じて、学習効果の向上を目指した。平行して、2学年分の材料力学の前期と後期の中間試験および期末試験の問題を分野毎に分類するとともに、学習者の成績について分析を行い、学習単元と理解度に関わる調査を行った。この調査結果をもとに、単元ごとの理解度の確認や学習者の得意、不得意分野の確認を行うことが可能となり、講義の進行に対してのフィードバックを可能とした。
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The Proceedings of Mechanical Engineering Congress, Japan
巻: 2019 ページ: S20208~S20208
https://doi.org/10.1299/jsmemecj.2019.S20208