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2017 年度 実施状況報告書

拡張現実とプロジェクションマッピングを利用した臨場感あふれる電磁気学可視的教育

研究課題

研究課題/領域番号 17K00998
研究機関石川工業高等専門学校

研究代表者

山田 悟  石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40249777)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードプロジェクションマッピング / 拡張現実 / 電磁気学
研究実績の概要

電磁気学は初学者にとって,その修得が非常に困難であるといわれている.その理由は電磁気学では, その基本法則である「マクスウェルの方程式」が電界と磁界との 3 次元的な時間領域の相互作用をともなうために,直感的な理解ができないためである。電磁気学の理解を補助するための,e-Learning 教材は多数開発されているが,平面的な画面情報から 3次元的な電磁界の把握は難しい.本研究の目的は,電磁調理器やワイアレス給電など身近な電磁界応用現象の再現システムと,プロジェクション マッピングおよび拡張現実技術を組み合わせることにより,目に見えない電磁界現象を視野上に映像として可視化し,臨場感あふれる電磁気学 3 次元可視的教育システムを開発することである.
2017年度においては,iOS, Android端末において利用可能なARライブラリに関する基礎的な調査を行なった.iOSにおいては, 2017年に発表されたiOS11において開発者向けARツール・ARKitが利用可能となり,サードパーティーによるライブラリを利用するよりも容易にAR利用プログラミングが可能となった.Androidにおいても,2017年8月にARCoreが発表されており,既存フレームワークを利用するよりも,より多くのデバイスでARが利用できることになった.それを踏まえて,開発済みシステムを再構築している.
さらに,電磁現象を体験する教材として,簡易型ワイアレス給電器の試作を行い,本校学生の電磁気学理解への影響を調査を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2017年度にモバイル端末OSのシェアの90%以上を占める iOS, Android において,拡張現実を利用するためのライブラリについての大幅な更新があった.そのため,既存ARToolkitにより作成されたシステムについて改修を余儀なくされており,計画にやや遅れを生じている.しかし,iOS, AndroidともにOS開発元純正のライブラリを利用可能となったため,今後も継続的にAR利用についてのサポートが得られることが予想されるため,開発システムの長期的な利用が可能となると期待している.

今後の研究の推進方策

2017年度の研究・開発の結果を踏まえ,まず拡張現実を用いた電磁界現象再現システムの開発を行う.開発したシステムを,本校電気工学科3年生という電磁気学に関する初学者に利用させ,その感想とシステムが与えた電磁気学理解への影響を調査する.その結果をプロジェクションマッピングによる電磁気学再現システムへの構築に活かす予定である.
また,それに並行して電磁気現象体験システムである磁気浮上システムの開発を行う.磁気浮上システムと昨年度開発済みの簡易型ワイアレス給電器を小中学生へ展示し,電磁界現象への興味歓心の喚起への影響を調査する予定である.

次年度使用額が生じた理由

2017年度に本研究において重要な位置を占める拡張現実システム開発のためのライブラリが携帯端末OSにおいて正式にOS開発元からサポートされるようになった.そのため,拡張現実システム開発が遅れたため,当初計画していた端末購入を次年度へと先送りすることとなった.
またシステム開発の遅れが電磁界現象再現システムの開発にも影響し,当初計画で2017年度購入予定であった3Dプリンタも先送りされた.
2018年度は早期にその購入を行い,当初計画通りにシステム開発を行う予定である.

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公開日: 2018-12-17  

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