研究課題/領域番号 |
17K01002
|
研究機関 | 津山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐々井 祐二 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 教授 (40235239)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 食連星 / 光度曲線解析 / ケプラー方程式 |
研究実績の概要 |
地域貢献としての未来のガリレオ育成活動:世界天文年2009 から行っている小中学生対象の公開講座「天体観測会―君も未来のガリレオだ!―」については、第1回5/25(月)「春の星座と水星が見えるかな?」、第2回8/4(火)「夏休みスペシャル 手作り望遠鏡で月を見よう」、第3回10/19(月)「口径35cm望遠鏡で木星と土星、火星を見よう」、第4回11/9(月)「夏秋冬の星座を見よう」を計画していたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため全て中止となった。 高専生に対する未来のガリレオ育成活動:3年全系横断演習Ⅰ学生4名はケプラー方程式を基礎とする惑星の軌道シミュレータのPythonプログラミングに取り組んだ。 食連星の観測と光度曲線解析:測光データから生成される光度曲線から、変光周期、成分星の半径比及び光度比を導出できる。食連星の測光データ取得は比較的小口径望遠鏡で可能であるが、視線速度曲線のための分光データの取得は口径1mクラスの望遠鏡であっても難しい。そこで、5年卒業研究生2名との共同研究として、主に測光データを用い、主星のスペクトル型、質量光度関係、ロシュモデルを考慮する連星の物理量の導出に焦点を当てた。オリオン座FR星(FR Ori)及びペルセウス座IU星(IU Per)について、測光データから作成した光度曲線に質量光度関係等の情報を加え、連星系理論に基づいたWilson-Devinneyコードを組み込む解析ソフトウェアPHOEBE(Physics Of Eclipsing BinarEs)を用いた解析で、各種物理量の絶対値の導出を行った。また、水素原子についてのシュレーディンガー方程式の解法について、教育的にまとめた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
地域貢献としての未来のガリレオ育成活動:公開講座「天体観測会―君も未来のガリレオだ!―」については、新型コロナウィルス感染拡大防止のため全て中止となった。 高専生に対する未来のガリレオ育成活動:3年全系横断演習Ⅰにおいて、ケプラー方程式による惑星軌道シミュレータ作成について指導を行った。 食連星の観測と光度曲線解析:食連星の測光データ取得は比較的小口径望遠鏡で可能であるが、視線速度曲線のための分光データの取得は口径1mクラスの望遠鏡であっても難しい。そこで、ハイアマチュアや教育現場の測光データ資産活用のため、本研究では主に測光データを用い、主星のスペクトル型、質量光度関係、ロシュモデルを考慮する連星の物理量の絶対値導出を目指している。 有効活用のため科研費の再延長手続きを行ったので「遅れている」とした。
|
今後の研究の推進方策 |
未来のガリレオ育成活動:津山地域の小中学生には天文への興味付けと観測体験のため、天体観測会を継続したい。現在、岡山県は5月31日まで緊急事態宣言の対象地域に指定されている。状況が好転し不安が解消されたら天体観測会を再開したい。高専の全系横断演習生には、Python等を利用する科学的シミュレータ作成教育を行う。また、測光解析などを重視する天文教育を継続する。 光度曲線解析:測光ソフトAIP4WIN2が供給停止となったので、検討したところ、フリーウェアAstroImageJで代用できることが分かった。現在、食連星をWDコードを用いて解析するためのソフトウェアPHOEBEがアプリケーションからPython上のツールに切り替わりつつある。現行のOSであるWindows10上でPHOEBEアプリケーションを利用するための方策も調査した。連星の質量比は分光データを用いるのがベストであるが、光度曲線から質量比探査を試みたい。これができると所謂測光データから食連星の物理量絶対値を推定できるようになる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた装置などは導入できた。新型コロナウィルスの影響で出張ができなかった。次年度繰り越し分は比較的少額であるが、装置等の有効活用のため再延長をお願いした。 気象観測装置の全天モニタ、バージョンアップされたソフトウェア、消耗品などを予定しており、繰越分を有効活用したい。
|