高専生に対する未来のガリレオ育成活動:3年全系横断演習Ⅰ学生4名はケプラー方程式を基礎とする惑星の軌道シミュレータのPythonプログラミングに取り組み、地球と火星の会合シミュレータを作成した。また、関連して、Pythonを用いた自然言語処理により、簡単な英語学習アプリを作成した。 食連星の観測と光度曲線解析:測光データから生成される光度曲線から、変光周期、成分星の半径比および光度比を導出できる。食連星の測光データ取得は比較的小口径望遠鏡で可能であるが、視線速度曲線のための分光データの取得は口径1mクラスの望遠鏡であっても難しい。そこで、5年卒業研究生2名との共同研究として、主に測光データを用い、主星のスペクトル型、質量光度関係、ロシュモデルを考慮する連星の物理量の導出に焦点を当てた。アンドロメダ座座RT星(RT And)およびアンドロメダ座座BL星(BL And)の測光データから作成した光度曲線について、連星系理論に基づいたWilson-Devinneyコードを組み込む解析ソフトウェアPHOEBE(Physics Of Eclipsing BinarEs)を用いた解析で、各種物理量の絶対値を導出し、連星系の模式図を描いた。ここで、色指数と経験データに基づく質量光度関係との対比により主星温度および質量を推定し、スケールを入れている。特にBL Andについて、主星からのガスが内部ラグランジュ点を通り、コリオリ力から伴星の軌道回転後方に降り注ぎホットスポットを形成することで、光度曲線の極大が非対称となることを推定した。 地域貢献としての未来のガリレオ育成活動:世界天文年2009 から行っている小中学生対象の公開講座「天体観測会―君も未来のガリレオだ!―」について、2021年度は新型コロナウィルス感染拡大防止のため計画しなかった。今後は、リモート観望会も考えたい。
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