研究課題/領域番号 |
17K01004
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研究機関 | 広島商船高等専門学校 |
研究代表者 |
瀧口 三千弘 広島商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (10163346)
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研究分担者 |
竹島 敬志 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 教授 (10179632)
藤原 滋泰 広島商船高等専門学校, 一般教科, 准教授 (20390495)
島岡 三義 奈良工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (80162486)
多田 博夫 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 教授 (90227083)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 工学教育 / 機械系 / 運動 / 振動 / 教材 / 学習プログラム / 開発 / 普及 |
研究実績の概要 |
本研究は、研究代表者らがこれまで開発を進めてきた機械系学習者を対象にした各種教材(物理の力学問題を解くための図式解法教材、教育用運動シミュレーションシステム【DSS】、運動や振動現象の観察を目的とした実験教材)をベースにした、動力学問題学習プログラムの開発と普及を目的としている。具体的には、①各種教材の実用化(普及のための製品化含む)、②各種教材を有効に利用するための学習プログラムの開発、③普及活動(教材の公開、高専への出前授業、教育書の執筆、電子書籍化等)、④運動や振動現象(とりわけ共振と振動モードに注目)の観察を目的とした新たな教材開発(継続課題、振動実験キット開発等)を行うことである。平成30年度の研究成果は、次の2点である。 1.教材の普及活動 ①DSSをフリーソフトとして公開した。㈲インテスのWebページからダウンロードして自由に使える。DSSの取扱い方法(基礎編)も併せて公開した。②本教材を紹介するチラシを作成し、全国の高専(51高専)や機械系の大学・短大・大学校(159校)、中国地区の工業系高校(35校)に配布した。③国立大学55工学系学部ホームページのおもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)で、「揺れたり揺れなかったり~振動現象学習用教材」)というタイトルで本教材の紹介を行っている。④4高専(広島・奈良・阿南・高知)の研究分担者がそれぞれ各高専に出向き、出前授業を行った。自校含め、現在8高専で実施した。⑤日本学術振興会の「ひらめき★ときめきサイエンス」プログラムに3年連続参加し、主に中学生を対象に本教材の有効性を確認した。 2.運動や振動現象の観察を目的とした新たな実験装置の開発 ①ばね・質量・剛体からなる6自由度振動系問題を対象とした実験教材を開発した。②回転機械のふれまわり運動を対象として、回転系の危険速度、軸の自動調心作用を学習するための実験装置を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、研究代表者らがこれまで開発を進めてきた機械系学習者を対象にした各種教材(物理の力学問題を解くための図式解法教材、教育用運動シミュレーションシステム【DSS】、運動や振動現象の観察を目的とした実験教材)をベースにした、動力学問題学習プログラムの開発と普及を目的としている。具体的には、①各種教材の実用化(普及のための製品化含む)、②各種教材を有効に利用するための学習プログラムの開発、③普及活動(教材の公開、高専への出前授業、教育書の執筆、電子書籍化等)、④運動や振動現象(とりわけ共振と振動モードに注目)の観察を目的とした新たな教材開発(継続課題、振動実験キット開発等)を行うことである。これまで上記の①~④について、それぞれ次のように研究を進めてきた。それぞれの達成度は次のとおりである。 ①各種教材の実用化:「加振装置」、「パッケージ型振動体」、「簡易ぶらんこ」等の実験教材の製品化(㈲インテス)を行った。 ②学習プログラムの開発:学習プログラムの素案を作成し、研究分担者の所属4高専の授業において試用した。そして学習者の反応・意見等を集約・整理し、学習プログラム(案)を完成した。 ③普及活動:DSSをフリーソフトとして公開した。㈲インテスのWebページからダウンロードして自由に使える。DSSの取扱い方法(基礎編)も併せて公開した。さらに、本教材を紹介するチラシを作成し、全国の高専(51高専)や機械系の大学・短大・大学校(159校)、中国地区の工業系高校(35校)に配布した。4高専(広島・奈良・阿南・高知)の研究分担者がそれぞれ各高専に出向き、出前授業を行った。自校含め、現在8高専で実施。 ④新たな教材開発:今年度は、ばね・質量・剛体からなる6自由度振動系問題及び回転機械のふれまわり運動に関する実験教材を開発した。 以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、研究代表者らがこれまで開発を進めてきた機械系学習者を対象にした各種教材(物理の力学問題を解くための図式解法教材、教育用運動シミュレーションシステム【DSS】、運動や振動現象の観察を目的とした実験教材)をベースにした、動力学問題学習プログラムの開発と普及を目的としている。具体的には、①各種教材の実用化(普及のための製品化含む)、②各種教材を有効に利用するための学習プログラムの開発、③普及活動(教材の公開、高専への出前授業、教育書の執筆、電子書籍化等)、④運動や振動現象(とりわけ共振と振動モードに注目)の観察を目的とした新たな教材開発(継続課題、振動実験キット開発等)を行うことである。上記の4つの研究目的に対して、最終年度の研究は次のように推進する。 ①各種教材の実用化:当面の目標は達成されている。新たに開発する振動実験教材についても、㈲インテスと共同で製品化(㈲インテス)を目指す。 ②各種教材を有効に利用するための学習プログラムの開発:当面の目標は達成されている。本学習プログラムについては、教材の実用化、普及活動、新たな教材開発の過程で得られた成果をもとに、必要があれば改良を加え最終年度(平成31年/令和元年)のものを完成版とする。 ③普及活動:DSSをフリーソフトとして公開し、各種教材の紹介チラシも作成し多くの教育機関に周知した。出前授業も開始した。最終年度も出前授業(目標:4人×2校)等を通して積極的に普及活動を行う。 ④新たな教材開発:最終年度は、運動・振動問題(単振動、単振子、回転運動)の基礎・基本を理解するための各種実験キットの開発を行う。例えば1自由度直線振動系問題であれば、ばね定数と質量の違いが系の固有振動数にどのように影響するかがすぐにわかるような実験教材の開発等である。慣性モーメントの違いを体感するための簡単な実験教材の開発等も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた物品費と旅費、およびその他の費用が、予定より安くなったことにより生じた。 (使用計画) 次年度に繰り越された金額は547,877円である。次年度の旅費やその他の費用として有効に利用する。
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備考 |
次のような学習用教材のソフトや各種資料等をダウンロードして利用できます。①DSS(2018.05.10)Ver4.3.2、②DSS取り扱い方法(基礎編)(PowerPoint)、③DSSと運動・振動教材の紹介Ver201805(PowerPoint)等。
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