研究課題/領域番号 |
17K01005
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研究機関 | 徳山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
北村 健太郎 徳山工業高等専門学校, 機械電気工学科, 教授 (60380549)
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研究分担者 |
池田 光優 徳山工業高等専門学校, 機械電気工学科, 教授 (80311083)
高田 拓 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (80455469)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | CubeSat / エンジニアリング・デザイン教育 / 複合技術 |
研究実績の概要 |
H29年度は、CubeSatを題材とした教育方法について、問題点の抽出や文献調査、現地調査等を通じて方針の決定を行った。 これまでに、研究分担者との継続的な議論や、九州大学国際宇宙天気科学・教育センターにおける宇宙科学教育の実践方法に関する現地調査等を行った。その結果、CubeSatを実践的なものづくり教育のコンテンツとする際の懸念事項として(1)CubeSatの製作自体が目的化すること(2)学生が場当たり的な製作を行うことの2点が挙げられた。こうした点に対して、本研究で実施するプログラムとしては、最初に規定したミッションの達成を目的とするものづくりであることを強調した「ミッション指向のものづくりプロセス」と、ミッションを達成するための要求を明確にし、要求仕様の数値化や設計作業を重視する「設計プロセスの重視型の教育コンテンツ」という2点を明確にする必要性が確認された。 これらの議論を通じて、モデルCubeSatを用いたミッション実施型の教育コンテンツの開発を行うという方針に従い、研究分担者との協力の下で組み込みマイコンを使った教材開発の試作を実施した。具体的には、mbedを用いたモデルCubeSat教材の開発と、Raspberry Piを用いた、投下型のCanSat教材の検討及び開発を開始した。mbed専用の開発環境を用いることで、複雑な機能をコンパクトに実装することが出来る。一方で、Raspberry PiはOSを搭載しており、LINUX環境でのプログラミングを経験した学生にとっては馴染みの深い環境で開発が出来る利点がある。これらの相補的な特徴を持つ教材の更なる検討と行い、H30年度に実施すべき調査や教材開発等に関して議論を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた、H29年度の計画における最大の目標は、最終的に開発される教育コンテンツの基本的な方針を、必要な根拠を持って決定することであった。これらの目標に対して、研究実績の概要に記したとおり、文献調査や訪問調査の結果を踏まえて、「ミッション指向のものづくりプロセス」、「設計プロセスの重視型の教育コンテンツ」という大きな基本方針を決定することが出来た。こうした成果により、H29年度の研究進捗に関しては、概ね順調に進展していると自己評価する。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は引き続き訪問調査の結果分析を行いつつ、高専の専攻科(大学3・4年生相当)を対象とした実際の実施カリキュラムの検討を行う。学生アルバイトを中心に資料の整理を行った後、結果の分析作業を行う。その過程では、連携研究者やその他の協力者との打ち合わせを複数回にわたって行い、実施カリキュラムの方針等を協議する。この際、集会が困難な場合は、TV会議等を活用して遠隔地間での打ち合わせを行う。 上記打ち合わせによって、教育システムとしての要素技術の抽出や開発手法の検討を行い、必要な教材開発や資料作成を行う。この際、山口大学の糸長教授より、衛星開発手法や技術者教育の手法等に関する助言・協力をしてもらう。 カリキュラムの試行は、徳山高専専攻科2年生の授業において実施する。サブシステムごとの概念設計とシステムの結合設計などの手法を理解することを目的とし、ミッション定義から仕様策定を含めた総合的な概念設計を行う。 研究代表者はこれらのカリキュラム試行に関して、内容の検討及び実施、評価手法の検討などに関して総括的な立場で研究を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
H29年度における訪問調査に関して、訪問先との調整の不調等によって当初予定していた件数よりも少なくなった。これらの訪問調査に関しては、H30年度も引き続き実施する計画であるため、今年度訪問できなかった、教育機関等に関してはH30年度に実施する予定で再調整を行う。
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