研究実績の概要 |
本研究は、数学・理科・情報の教科書と学習指導要領に出現する科学用語を基本にして、科学用語の共起ネットワークを作成し、このネットワークと多種多様なテキストデータとの関連分析を行うことを目的としている。本年度は、以下のことが明らかになった。 科学用語は教科書の索引から収集し、調査した教科書(平成13~14年に文部科学省検定済)は、中学校と高等学校の数学、中学校理科、高等学校物理・化学・生物・地学、中学校技術・家庭、高等学校情報の教科書である。収集した索引の総数は3552件である。異なる教科・科目で共通に出現する科学用語を調べると、4科目以上で出現する科学用語は存在しなく、3科目で出現する科学用語は11件存在する。重複しない科学用語(異なり語数)は3054件である。2科目で共通に出現する科学用語は、215件である。 最も文字数が少ない科学用語は1文字から成るもので、35件存在する。最も文字数が多い科学用語は16文字から成るもので、3件存在する。 理科系読み物「化学とんち問答」(米山正信,講談社)で使用されている科学用語は、総抽出語数は65,607で、異なり語数4,791である。使用されている科学用語は360語で全体の7.5%である。文科系読み物「俳句のたのしさ」(鷹羽狩行,講談社)で使用されている科学用語は、総抽出語数は61,395で、異なり語数5,507である。使用されている科学用語は85語で全体の1.5%である。映画「男はつらいよ・ぼくの伯父さん」(山田洋次・朝間義隆,松竹株式会社)の台詞で使用されている科学用語は、総抽出語数は14,822で、異なり語数1,816である。使用されている科学用語は11語で全体の0.6%である。科学用語は、理科系読み物、文科系読み物、映画の台詞の順に、多く使用されていることが明らかになった。
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