1年次及び2年次に開発したデジタルファブリケーションを取り入れた日本型STEM教育のカリキュラムの成果を検証するため、引き続き児童・生徒向けのワークショップ、将来これらの教育の指導者となると期待される大学生及び現職教員向けのワークショップを開催するなど、いくつかの実践を重ねることができた。また、引き続き小中学校教員向けの3Dプリンタ講習会を行い、適切な指導方法を開発した。この講習会では3年間で小中高の各種教科の教員に合計で120名ほど参加していただくことができた。6月にはこれまでに学校訪問を実施して調査研究をしてきた台湾で開催された、2019新北市創客魔法市集にてブース出展させていただくことができ、この間の取り組みを台湾の児童・生徒たちに実践することができた。
研究成果については、各種学会において小学校の理科及び図画工作に関連したSTEM教育及びSTEAM教育、また中学校技術科におけるエネルギー変換の技術及び材料加工の技術、情報の技術についてSTEM教育と関連させた内容、水中ロボットや案内ロボットなどロボット教育に関連した内容等にて15件の口頭発表を行うとともに、最終年度の成果として、前年までの研究成果をまとめて投稿していた3本の査読付き論文が受理され、発行された。
この3年間、特に先駆的に取り組んでいる台湾をはじめとした世界のSTEM教育及びSTEAM教育の動向を追いながら、日本の小中学校の新学習指導要領に沿った形での導入可能な形でまとめることができた。今後、新学習指導要領が本格実施されることに伴い、小中学校現場での教育実践を広める活動を行うとともに、高等学校へ繋がる取り組みについても開始する予定である。
|