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2019 年度 実施状況報告書

免疫システムと社会をつなぐ教材の開発と普及

研究課題

研究課題/領域番号 17K01016
研究機関埼玉大学

研究代表者

日比野 拓  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60513835)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード教材開発 / 食作用 / 免疫
研究実績の概要

自然免疫における迅速な病原体の排除には、食細胞の異物への遊走と、異物の包囲、そして異物の消化という食作用がはたらく。高校の生物基礎の教科書には、バッタやコオロギに墨汁を注入し、翌日に食細胞内にすでに取り込まれた墨汁を観察する実験が記載されている。しかし食作用というのは、ダイナミックな細胞の挙動である。このことを生徒に理解させることを目的として、生体内でかつライブで、食作用を容易に観察できる教材を探索してきた。動物種の探索においては、これまでに、ウニの一種であるタコノマクラの胚内では、間充織細胞が体内に挿入した油滴に対して迅速に遊走を開始し、60分以内にほぼすべての胚で食作用を観察できた。
そこで今回は、日本広域に生息するバフンウニを用いて、容易に食細胞の挙動を観察できる教材の開発を試みた。当研究室の研究から、バフンウニ胚・幼生はタコノマクラ胚に比べて、貪食応答や貪食効率が低いことが分かっており、これは貪食応答のしくみが欠けているのか、オイルを敵とみなしていないのか不明であった。そこで、異物として使用するオイルとして、通常のジメチルシリコーンオイルの他、アミノ基やカルボキシル基の側鎖が付加されたシリコーンオイルを用いて実験を行った。アミノ基シリコーンオイルでは他のオイルと異なり、色素細胞が5分以内に油滴へと遊走し、異物を取り囲む様子が観察できた。色素細胞は赤色であるため、光学顕微鏡で細胞の挙動を容易に観察でき、高校における食作用の観察実験に有用であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

例年、高校へ出張授業を行い、開発した教材の試行と教材の評価を行ってきたが、今年度は新型コロナウイルスの流行のため、出張授業は中止になったため。

今後の研究の推進方策

今後は開発した教材の試行と評価を行い、またより簡便に食細胞の挙動観察ができるような実験の工夫を研究していく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの流行により、3月に予定した出張授業とシンポジウムが中止になった。そこで、謝金・旅費として支出する予定だった経費を、次年度に物品費等で使用することにしたため。

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公開日: 2021-01-27  

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