本研究では、高等学校生物基礎・生物の免疫の内容をより身近に感じさせ、生徒の理解を促す教材の開発と普及を行ってきた。2020年度は、新型コロナウイルスの流行により、研究代表者が所属する大学において、対面式での従来の授業を行うことが困難となった。本大学に限らず、高等学校現場においても、遠隔授業、特にオンデマンド授業の実施が進んだ。そこで本年度は、高校の免疫の内容を遠隔授業で理解促進する教材「免疫Bingo」の開発と試行を行った。免疫の分野は、多くの免疫細胞や免疫分子が登場するので、これらの用語をより正確に理解することを目的とした教材の作成を試みた。「免疫Bingo」は、従来のビンゴゲームを改良し、数字ではなく免疫用語が記された5x5マスのカードを作成し、教員が免疫の問題を提示し、生徒が問題に合う回答マスをチェックしていき、列を揃えるというものである。研究代表者の所属する大学のオンデマンド授業において、「免疫Bingo」を2回試行し、学部生からよい評価を得ることができた。
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