研究課題/領域番号 |
17K01032
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
種村 雅子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30263354)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | グローバル人材 / 科学英語 / 物理教育 / Webサイト / 小学校英語 / 海外教育実習 |
研究実績の概要 |
理系におけるグローバル人材育成に向けて、科学英語教材の開発及び小学校教員が英語活動で活用できるように,これまでの教育実践をまとめて事例集を作成する。事例集はWebで公開する。さらに大阪教育大学で実施している海外教育実習において,英語を第二言語とする海外の児童に対して,物理の授業実践を計画する。学生の物理への理解と英語によるコミュニケーション力を高めることをねらいとする。 「大気圧(Air Pressure)」に関する科学英語による2016年度の教育実践を元に,多くの人が活用できるようにWebサイトを作成した。大気圧の実験では,ゴムシートを机の上に置くと,大気圧によって持ち上がらなくなる。空気はあらゆる方向から物体を押しているが,机とゴムシートの間に空気がないと,下からゴムシートを押す力がなくなり,上にある空気の重さ分が実感できる。表面が凸凹の場合は,引っ付かないことから空気がゴムシートの下にもあることを粒子モデルにより考えさせる。そして,ガラス瓶の中に吸盤をつけて,空気を抜くと吸盤はどうなるかという実験により,理解度を確認するという教育内容となっている。 2017年度の海外教育実践においては,「光の三原色と影の性質」に関する教材開発を行い,フィンランドとイタリアの小学校において,現職教員を含む教職大学院の院生と学部生との協働によるグループで,教育実践を行った。まず,赤・緑・青のLED光源を重ねて,異なる色の光を重ねて新たな色の光を作りだす実験を行う。次に光が障害物に遮られたところに暗い部分,すなわち影ができるということを学ぶ。そして,光源の色を1色,2色,3色と増やしていくとどのような影ができるかを考えさせることをねらいとしている。教員と児童にとって,お互いに第二言語でのコミュニケーションを行うという難しさはあったが,実際に実験をすることで理解が深まっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は過去の海外教育実習で実践をした教材のWebサイトを作成できた。Webサイトにより,これまでに行ってきた科学英語教材の普及を目的としている。「大気圧」を実感できる実験の紹介と目に見えない空気の粒子モデルをWeb上でアニメーションを通して表現することが可能となり,より理解を深めることができる。文系の多い小学校教員にも実践できるようになることをねらいとしている。 海外教育実習ではフィンランドとイタリアの小学校で教育実践をする機会を得ることができた。光の三原色と影の性質について,小学生にも理解できるような教育内容と方法について,大学院生と理系の学部生の協働により,新たな教材を開発することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度については,光に関する教材開発とWebサイトの作成を科学英語教材をテーマにしたいという卒論生とともに協力して行う予定である。海外教育実習としては,まだ受け入れ先が決まっていないが,フィンランドの小学校に依頼する予定である。参加学生は卒論生を中心に募集をし,引率する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 海外教育実習の旅費については学内予算の国際化推進事業経費により配分されたことと,参加予定であった国際会議が授業期間と重なり,参加できなかったことにより,当初予定していたよりも支出が大幅に少なかったことにより,次年度に繰り越すことにした。 (使用計画) 今年度は国際会議の参加と海外教育実習を予定しているが,学内予算の配分が少ないことから前年度の繰越額と今年度の予算を合算して支出予定である。
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