文献より外来生物対策を整理した。基本として,撲滅,封じ込め,防除,普及啓発が挙げられる。これらは,生物多様性締結会議で国際的に決められ,国内でも同様な対策が中央環境審議会で決定している。さらに,環境等へ大きな影響を与える外来生物を特定外来生物と指定し,法律により管理する特定外来生物法も公布された。沖縄県の外来生物担当へのインタビューでは,沖縄県では外来生物に対して,A:根絶,B:区域からの排除,C:低密度管理,D:拡散防止と状況に応じて,その対策が分けられている。 外来生物対策の1つとされている,普及啓発についてその文献を俯瞰した。小中学校での実践報告が多く,教育課程上,理科と総合的な学習の時間での実践となっていた。実践の結果,学習者は身近な外来生物を理解したり,外来生物の定義やその対策,環境保全について考えるなど多様な活動を行なっていた。このように多様になっているのは,実践者が外来生物を通して何を教えるのかの目的によって異なっている。また,身近な生物を取り上げることが多く,これは学習者が外来生物を現実世界のものとして捉えることができる。教材としては画像であったり,生体を用いた実践がほとんどであった。学校外でも普及啓発は行われている。それは児童館であったり,博物館であったり,多岐にわたっていた。学校外での活動のメリットは未就学児から大人までが学習者となっており,異年齢による学びが存在していた。 2022年度は,最終の年だったので,2018年度から最終年度までの成果を報告書にまとめ,報告書を沖縄県内小中学校324校へ配布した。
|