研究課題/領域番号 |
17K01039
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
石原 正三 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (10290727)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 科学折り紙 / ユニット折り紙 / 立体構造の設計 / アクティブラーニング / 探究活動 / 芸術的オブジェ / モノづくり作業 / 試行錯誤 |
研究実績の概要 |
実験教材開発の第一年目として、実験授業機器のうち、ビデオ教材の作成と教材提示用視聴覚機器の整備をほぼ完了した。 立体構造に関する資料収集のため、スイス連邦州立ジュネーブ大学での結晶や分子等の立体構造に関する文献調査を行い、外部利用者専用の端末を利用することによって、物質の微視的立体構造に関する最新情報を含む電子ジャーナルを検索でき、持参した外部記憶素子に必要な論文等をダウンロードできることが判明した。
なお、第一年目の研究成果の一部を、早稲田大学において開催された鏡像体に関する国際会議:Chirality 2017/ISCD-29、および第83回と第84回の形の科学会シンポジウム(形の科学会主催)に於いて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近年の電子ジャーナル等の普及により、原子構造や分子構造の最新のデータへのアクセスが難しく、実験教材資料として立体構造のデータを学生へ提供し、試行錯誤にとって新しい構造モデルの設計と制作にチャレンジする機会が失われていたが、ジュネーブ大学の図書館で文献検索の端末を利用することができることが判明し、最新の立体構造データを取得することが可能であることが判明した。また、検索結果から必要な論文を持参した外部記憶機器(USBメモリ)にダウンロードして、数種類の最新の立体構造データを持ち帰ることができた。 ビデオ教材を制作し、その教材を学生が自由に視聴できる視聴覚設備を物理学実験室内に設置し、別途用意した立体構造シミュレーションソフトをインストールしたPCを接続して、グループディスカッションのための学習環境を整備した。 この学習環境を活用し、2年目以降の教材制作と実験授業の試行が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
科学折り紙の手法を活用した教材の最大の特徴は、折り紙の持つ親しみ易さと多彩な色彩による芸術的趣によって、小学生から大学生に至る、広範な教育段階の学習者を対象とすることができる点にある。現在、初等・中等教育において、教育課程の改訂作業が進められており、探究活動の重要性が指摘され、実験授業においても、実験結果の重視から探究過程の重視へと、教育目的がシフトしている。本研究の当初の目的である、アクティブラーニング用実験教材の開発とともに、「理数探究」科目が後期中等教育に新設されることが決定されたことを踏まえ、後期中等教育と大学教養教育の高大接続を視野に、初等・中等教育から高等教育を一環とする、探究活動を重視する実験教材の開発を新たな目的に加え、第二年目以降の研究を推進することとした。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、55インチの4K液晶TVの設置を計画したが、55インチ用の移動架台の大きさが実験室内の可動スペースに不適切であり、かつ、55インチTVの重量がかなり重く、事故の危険性を考慮して49インチのTVモニターを設置した。このため購入予算に残金が生じたこと、および、複数の小グループ活動を実験室で一斉に監督し、小グループの活動報告を、逐次、実施するために、音響施設の設置が必要であることが判明したため、実験室の音響設備を第二年目(平成30年度)に設置することを計画した。
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