研究最終年度ではあったが、2020年度に続き、新型コロナウイルス感染拡大下において、研究内容を模索しながら精選し、以下の研究を行った。 1.教材開発・実践検証:2020年度に開発したジオパークにおける「フィールド実験」および「少人数によるグループ別ガイドプログラム」の実践検証を行った。「フィールド実験」は小学校1校、中学校1校の修学旅行にて、「少人数によるグループ別ガイドプログラム」は小学校3校の修学旅行にて検証した。プログラムを開発した2020年度に引き続き、現地での実験や少人数での見学学習は、見学者の自然災害への理解を深め、火山防災への意識を高めることが検証できた。また、新型コロナウイルス感染拡大下で急激に普及したデジタルデバイスを活用したバーチャルな見学プログラムについて360度カメラなどを用いたコンテンツの試作を行った。 2.ジオパーク活動への還元:主な研究の対象地であった洞爺湖有珠山ジオパークにおける火山防災関係者と住民を接続するフォーラムを企画しようとしたが、新型コロナウイルスの感染拡大により現地との調整がつかず開催を見送ることになった。一方で、本研究で検証を続けてきたガイドプログラムの一部を、洞爺湖有珠山ジオパークと協働して改訂作業を進めていた「野外学習テキスト」の指導者用テキストに反映させることで還元を図った。指導者用テキストは2022度中に発行の予定である。また試作段階のバーチャル見学プログラムについては、白滝ジオパークの住民向け講座「ジオカフェ」にて一部紹介した。 3.研究成果の中間報告:2020年度に開発した「少人数によるグループ別ガイドプログラム」について、JpGU(日本地球惑星科学連合)2021年大会にて報告した。また、「フィールド実験」については2021年度の実践内容も加え日本火山学会2021年秋季大会にて報告した。
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