研究実績の概要 |
本研究は,体験や情報の共有のための視覚的対話手法の提案とその評価手法を開発し,その汎用化を目指すものである.これまでの展示施設での子供向け体験プログラムの実証実験の成果をもとに,デザインプロセスでの活用として落書きコミュニケーションを手法としたプログラム化を行い,企業との連携授業での活用や,企業関係者を対象にした体験ワークショップなどのケーススタディを実施した.これらの分析により,連結系,配列系,領域系という図的表現の分類から体系化しその特徴を明らかにした.それとともに参加者に対するインタビューなどから,視覚的対話が共感,課題の定義,アイディア創出,試作,検討というデザインプロセスにおいて有効なツールとして機能することが明らかになった.その成果は日本デザイン学会や日本動物園水族館教育研究会などの関連学会において報告を行い,活発な意見交換によって多くの知見を得ることができた.それとともに,国際会議IASDR2019ではデザインプロセスへの活用に関する研究論文を共著として発表し,2020年にはこども環境学会(査読中)やKEER2020(採択決定済み)への投稿など, 研究成果の積極的な学会への公開・発表を行なった. 2020年3月3日から8日には,札幌市内のギャラリー大通美術館でケーススタディとして実施した企業との連携授業での作品を展示し広く公開発表するとともに,これまで展示施設等で実施した実証実験の結果を「活動報告書」(282p)としてまとめ,関係各所に配布することでその研究成果を広く公開した.また,本研究課題における主観的な印象評価の手法として開発した気持ち温度計の,スマートフォン用webアプリケーションを開発し多くのケーススタディで検証してきた.その実績をもとに,評価ツールとして公開するとともに,気持ち温度計の商標を登録することで,広く研究成果の活用と展開を継続していいる.
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