研究課題/領域番号 |
17K01050
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 恵一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (50113030)
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研究分担者 |
杉本 康弘 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00319039)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | プロジェクト型教育 / PBL型教育 / 理工系高等教育 / チーム学習 / 学習成果 / 波及効果 / アンケート調査研究 |
研究実績の概要 |
理工系高等教育プログラムにおいて,重要視されているプロジェクト型の教育として正課内科目であるプロジェクトデザイン(PDと略)科目,特にPD1とPD2について前年に引き続きアンケート調査を特に2年次学生および4年次学生に対して行った.2年次学生と4年次学生,課外活動の効果との関係を調べた.また,海外でのプロジェクト型教育として注目されるVJIT(越日工業大学)でも同じ趣旨のものを行い比較検討した.また,東京理科大で開催されたラーニングコモンズに関するフォーラムに参加をし,その内容について情報を得るとともに参加大学と意見交換を行った.プロジェクト型教育においては活動の場の存在が一つの重要なポイントであることを確認した. 工学教育の世界標準的な枠組みを与えるものとして注目されるCDIO国際会議が金沢工業大学で開催されたので,プロジェクト型の教育に関する論文を同僚のHung准教授とともに執筆し完成させ,同会議に参加し,論文発表した.PD教育とCDIOの基準との対比も行った. プロジェクト型教育はチームで行うことが基本であり,チーム内での活動が重要となる.その活動内容そして各メンバーの状況を把握する方法としてクリッカーシステムの導入を試みた.そのプログラム作りについて検討し部分的にであるが実施した.クリッカーシステム自体はいわゆるアクティブラーニングにつながり多くの利点をもつがそのプログラム作りに多大の手間がかかるなどの問題点を示すとともに,プロジェクト型教育における有用性が大いにあることを確かめた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画にしたがって研究を進めている.国外大学調査が他の教員の情報および協力により必要性がなかったので行わなかったこと以外では大きな問題点はないので(2)と判断した. 金沢工業大学内のプロジェクトデザイン科目および夢考房プロジェクトについてアンケート調査を行った.越日工業大学学生についてアンケート調査を行った.同大学のプロジェクトデザイン教育の実情に関しては情報を収集した.他大学のPBL型教育について調査意見交換した.夢考房プロジェクト卒業生への聞き取り調査については他研究者(学内)の成果があるのでそれを参考にした.CDIO国際会議において論文発表した.日本技術者教育協会年次大会において,プロジェクト型教育の効果と役割というテーマでオーガナイズドセッションを企画し広く全国から講演を募集し意見交換および議論を行い,当該研究者自身も講演発表し研究成果を挙げている.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき,平成29年度および30年度の結果をまとめ,発展させながら推進していく.特に,正課内カリキュラムで行われている代表的なプロジェクト型教育であるプロジェクトデザインⅠ・Ⅱが他の正課内科目(例えば卒業研究)や正課外科目(例えば夢考房プロジェクト)そして国外大学科目(例えば,越日工業大学におけるプロジェクトデザイン科目)に影響し波及効果を如何に挙げているかを検討する.また,同時にプロジェクト型科目が高等教育において占める役割について明らかにしていく.研究分担者がイギリスの大学に長期(3か月)滞在する予定なのでそれとの連携,今年度から金沢工大よりベトナムに移った研究者との共同研究をも推進して,種々の方向から本研究成果をまとめていきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
他の情報源により外国出張をする必要がなくなり,当該年度の旅費に余りがでたこと.アルバイトによる補助が予想外にスムーズに行き人件費に余りが出たことによる.次年度に回し,今後,現地調査などを行うこと,文献調べ,データまとめなどを積極的に行い最終年度のまとめを図る計画である.
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