近未来を見通すためのキーワードとして「IoT(Internet of Things,モノのインターネット)」がメディアを賑わせている。このIoTを構成する多くの機器は組込み技術によって支えられることになる。その状況の下,組込みアプリケーション技術を持った技術者の需要は今後増すものと考えられる。このような中,本研究では,コンピュータサイエンスアンプラグドの考えに沿ったプログラミング技術修得のためのアクティビティ開発と開発したアクティビティの評価を行おうとしていた。コンピュータサイエンスアンプラグドは,コンピュータを使わず,ゲームやグループ活動などを通して情報科学を理解させる教授法である。研究代表者は,この教授法はプログラミング技術の修得にも応用できると考えている。 上述のような研究目的のもと,最終年度である平成31年度は,ポインタに関するアクティビティについて,評価をおこなうことが目標であった。この目標に対し,専攻科学生の協力を得て,まず,アクティビティの細かいリファインを行い,その後,リファインされたアクティビティを津山高専学生に試行してもらい,評価を行った。 その結果,教材としての使い勝手が向上していることと,プログラミングにおけるポインタの有用性を学生に理解させる効果が向上していることを確認できた。また,教材利用のシナリオを更に手直しすることにより,より教育効果を向上させる余地が残っていることを確認できた。一方,この教材の適用対象は再検討した方がよいという指摘を受けた。
|