研究課題/領域番号 |
17K01063
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研究機関 | 沖縄工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山田 親稔 沖縄工業高等専門学校, 情報通信システム工学科, 准教授 (40412902)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 国際連携 / 技術者育成 / ものづくり |
研究実績の概要 |
本研究においては、我が国の将来を担う「ものづくり」分野における人材の持続的な育成を目指し、IoTとビッグデータを活用したセンシングデータ高速演算システムにより、国内外の教育機関と連携した国際連携型サスティナブルな技術者育成フレームワークを構築することを目的とし、国内外の教育機関において教育実践により評価および検証することで、その有用性を示した。 29年度は調査・開発に主眼をおき、下記のとおり研究協力者と連携して遂行した。まず国内外のものづくり教育の現状を調査し、本研究で導入するサスティナブルな技術者育成の実践方法を検討し、それを踏まえて技術者育成支援LMSとセンシングデータ高速演算システムを開発した。実施項目について以下に示す。 ・技術者育成支援の調査およびカリキュラム検討 ・技術者育成支援LMSの開発 ・多機能演算システムの開発 上記の技術者育成支援の調査では、技術者育成の導入教育として沖縄高専学生がリーダーとなり実習を主導していく方法を検討した。その際、実社会での問題を意識し、受講者にその問題解決を検討した。具体的には、「その地域で入手可能な機器の選定」、「利用環境の調査」、「故障時の対応方法」、「他の機器での代替方法」、「システムのドキュメント作成」を実習できるようにした。国内外学生および教育機関が連携して技術者の育成を行うため、基本的なコミュニケーションは英語で行うことを想定し、英語によるドキュメントの作成に着手した。また、マラ工科大学においては、日本への留学および研修を希望する学生が多くいる現状から、適宜、日本語によるコミュニケーションや実習教材を用いることとした。29年度下期には開発した技術者育成支援LMSとセンシングデータ高速演算システムを利用して沖縄高専において教育実践を行い次年度に向けて評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
技術者育成支援LMSとセンシングデータ高速演算システムの構築に重点をおき、後半では構築したシステムを利用してマラ工科大学および沖縄高専において連携して教育実践を行うことを可能としたため、おおむね順調に進展していると言える。教育実践に参加する学生をさらに増やすことを検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、技術者育成支援LMSとセンシングデータ高速演算システムの開発を行う。その際、マラ工科大学と沖縄高専において連携して実践した内容をフィードバックし、システムの改善を行う。30年度上期では、29年度に調査したサスティナブルな技術者育成支援のカリキュラムを精査し、連携校で実践する内容を検討する。ここで、技術者育成支援のカリキュラムで使用する教材コンテンツは、連携校の講義や演習で既に開発しているものを可能な限り使用し、必要に応じてコンテンツを新たに開発することとする。連携校で使用する技術者育成支援LMSは単に教材コンテンツを掲載するだけでなく、実習により作成した課題をアップロードし、その内容をチェックできるようにする。また、連携校間で横断的に実施するプロジェクト実習を円滑に進めるために、プロジェクトごとに進捗管理を行う機能を構築する。さらに、受講者は各自の学習の実施項目をオンラインで確認でき、実験・実習のスキルの達成状況を明確に提示するようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費については、プロトタイプを開発し、実際に教育実践する際に必要となる機器を購入するため、教育実践を行う時期に合わせて購入する予定である。旅費については、国外での教育実践を充実させるために、実施期間を多くする予定である。
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