研究課題/領域番号 |
17K01070
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大河 雄一 東北大学, 教育情報学研究部, 助教 (60361177)
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研究分担者 |
三石 大 東北大学, 教育情報基盤センター, 准教授 (50305306)
趙 秀敏 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (60733079)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教授学習支援システム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,対面授業・eラーニングによる復習・次回授業での確認からなる3段階ブレンディットラーニングに,学習者の状況に合わせて授業計画を変更して実施を行えるようにするダブルループ教授設計を組み合わせた効果的な教授・学習プロセスを持続的に実施可能な教授・学習支援システムの開発である。 より具体的には,対面授業中の学習者の学習状況に応じて,教員が復習教材の構成を容易に修正できるよう,復習教材の問題を授業計画と関連づけ管理する仕組みを明らかにし,また,eラーニングによる復習実施中の状況を,次回の対面授業の計画に授業開始前の短時間で反映を可能とするため,多数の学生の復習の実施状況を俯瞰的に把握するための可視化手法を明らかとすることにある。 研究計画初年度に当たる本年は,先行研究から得られる知見なども参考に,ブレンディッドラーニング用の復習教材管理手法について検討を行い,その結果に基づき教材管理手法を盛り込んだプロトタイプシステムの実装を進めた。当初の計画では,MoodleをベースとしたWeb学習管理システムとして管理を行う予定であったが,今後実証実験を行う予定である授業科目での必要性などから,スマートフォン学習教材としての実装を行うものとして,そのユーザインタフェースの設計なども合わせて行った。その中で,まずは学習者が自身の学習状況を把握できるようにする仕組みとして,学習履歴の視覚化や,他の学習者の学習状況の視覚化を取り入れたインタフェースの設計を行った。加えて,プロトタイプシステムでは,研究計画2年目以降で使用する学習履歴データ取得のための仕組みの実装も行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学習教材の管理手法の設計を行い,スマートフォン用学習アプリケーションのプロトタイプシステムの構築が行えたものの,実授業の観察などに基づき,実授業の状況を学習教材の提供に反映する仕組みの設計は,まだ部分的にとどまっている。 これらを総合すると,やや遅れていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
スマートフォン用学習アプリケーションとして構築した,プロトタイプシステムの実装は概ね完了しているため,2018年度は当初計画に従い,実授業での試用と,そこで得られた知見に基づいたシステムの改修を進める。また,多数の学習者の学習状況を俯瞰的に把握するための可視化手法の検討を行う。 加えて,研究計画初年度に完了できなかった,実授業の進捗状況などを学習教材に把握する仕組みについても合わせて検討を行い,プロトタイプシステムへ実装を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
プロトタイプシステムの開発において,初年度においては既存の設備物品などで間に合ったため,一部設備備品・消耗品の支出を2年目以降に繰り下げたことと,実授業の観察分析および一部の開発事項を初年度に実施できなかったとこ,国際会議への参加を2年目以降に予定を変更したことにより,次年度使用額が生じた。 平成30年度請求額と合わせて,プロトタイプシステムの開発,実授業の観察分析補助謝金,国際会議等への旅費に使用する予定である。
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