| 研究課題/領域番号 |
17K01073
|
|---|
| 研究機関 | 東京医科歯科大学 |
|---|
研究代表者 |
荒木 孝二 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 教授 (70167998)
|
|---|
| 研究分担者 |
鶴田 潤 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 准教授 (70345304)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| キーワード | シモドント / シミュレータ / 仮想画面 / 窩洞形成 / マネキン実習 / メラニン人工歯 |
|---|
| 研究実績の概要 |
平成29年度の結果を踏まえて、本学歯学科平成30年度4年生に対して歯科用バーチャルリアリティシステム「シモドント」で練習した群(以下S群)と練習しないで直接マネキン内の顎模型のメラニン人工歯の第一大臼歯咬合面に対して内側性の1級インレー窩洞を切削させた群（以下C群）とで、形成面の外形と形成量の比較を行った。両群とも研究参加者は10名ずつで、終了後には結果を開示するとともにアンケート調査を行った。
結果は、研究開始前に作成しておいた理想的な外形と比較して、両軍ともに統計学的な有意差は認められなかった。ただし、S群の窩洞形成外形は全体的に小さめになる傾向があったのに対し、C群では大小さまざまな外形となり傾向は認められなかった。研究開始前に作成しておいた理想的な窩洞との形成量の比較については、いくつかの方法で行うことを試みたが、形成量自体がかなり少量であったために信頼性のある形成量の差異の測定はできなかった。比較方法としては、メラニン人工歯の形成前後の重量比較、理想窩洞形成人工歯と被験者が形成した人工歯の重量比較、CAD/CAM用光学印象での比較などである。
被験者の終了後アンケート結果としては、平成29年度のアンケート調査結果の内容を踏まえて、被験者へのシモドント使用方法の説明をわかりやすくしたこと、また、レストのおき方などを正しく説明したことなどの結果、全体的に肯定的な意見が多くみられた。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要にも記載したが、マネキン内の顎模型での人工歯切削量の比較が、形成量自体がかなり少量であったために信頼性のある形成量の差異の測定はできなかった。すなわち当初考えていた方法では誤差が大きくなりすぎて、統計学的処理に信頼性が低くなることが判明した。
|
| 今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要にも記載したが、マネキン内の顎模型での人工歯切削量の比較が、形成量自体がかなり少量であったために信頼性のある形成量の差異の測定はできなかった。そのため、う蝕除去を想定した人工歯の内部形成量の比較することはやめて、令和元年度は、クラウン支台装置形成を課題としてこの2年間の実施経験を参考にして再度ボランティア学生を募集して実施することとした。なお、この2年間の実施経験で、初めてシモドントを使用する被験者に対する使い方の説明方法は確立できたので、被験者のシモドン使用の巧拙による事前訓練自体の差についてはほとんどなくすことができると考えている。
また、2年間の研究参加者からのアンケート結果の分析では、終了後の多くの参加者自身の感覚的な感想ではあるが、シモドントでの事前練習は、その後もマネキン内での人工歯切削に役に立ったという意見が多かった。従って、上記に記載したように被験者への課題は変更するが、それ以外の研究プロトコールはほとんど変更せずに実施する予定である。
|
