本研究課題では、スーパーグローバル時代の大学間連携の展開を担う安全・安心な教育連携基盤の実現を目的としている。その実現に向け、様々な情報システムを相互利用する際、各大学における認証方式の多様化・広域化が進む中、グローバルスタンダードとなりうるアーキテクチャを新開発し、取り扱う情報の重要度に応じた適切なレベルでの利用者認証が可能となる大学間教育連携基盤の構築を目指した。 本年度は、本研究において開発を行った、次世代の展開を担う新しいアーキテクチャの適用対象を拡大して、大規模な環境下での実運用の実施を行った。さらに、本アーキテクチャにおいて、取り扱う情報が重要な上位のレベルの利用者認証方式を追加し、重要度に応じたセキュリティレベルの更なる向上を図るとともに、認証方式の選択肢を増やすことで、利用者の利便性に配慮したアーキテクチャなるように改良を行った。その結果として、大規模な環境においても安定した動作を確認することができ、本アーキテクチャにおける大規模環境下でのアベイラビリティおよびスケーラビリティを実証した。 なお、本アーキテクチャは、国立情報学研究所(NII)が中心となって進められ、現在大学間認証連携の主流となっている学術認証フェデレーション(GakuNin)において採用されているShibbolethと呼ばれるオープンソースソフトウェアをベースとし、多くの大学・機関が利用することが可能となるように考慮した。
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