研究課題/領域番号 |
17K01078
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石井 秀宗 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (30342934)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教育測定学 / 教育工学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,「1.問題修正の効果を検証したアイテムバンクの構築」「2.問題作成ガイドラインの普及・浸透」「3.テストの品質管理に資するテスト問題作成支援システムの開発」の3点である。 1のアイテムバンクの構築については,約400問の項目について,問題作成ガイドラインを参照する前の設問と,問題作成ガイドラインを参照して修正を行った設問を収集し,教科,科目,単元,設問,選択枝,正答,修正された設問,修正された選択枝,参照ガイドライン内容等からなる設問データベースを整備した。計画当初は算数・数学の問題のデータベースをまず構築することを考えていたが,研究に協力して頂いたアイテムライターの属性が多岐に渡ったため,国語,歴史,物理,化学,生物,英語等の科目の問題についても項目を収集し,データベース化を行った。 2の問題作成ガイドラインの普及・浸透については,ガイドラインの概要をホームページ上で紹介するとともに,日本のテスト文化について論じた文献を著すなどして,問題作成ガイドラインの普及・浸透を行った。また,テスト問題作成に関するセミナーの講師として,テスト問題作成ガイドライン,項目分析の方法について解説を行った。 3のテスト問題作成支援システムの開発については,まず研究成果を公表するウェブサイトを開設した。そして,テスト理論や項目分析の基礎について解説し,情報を得たい者が,項目分析法について学ぶ環境を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「1.問題修正の効果を検証したアイテムバンクの構築」について,当初計画では,,算数・数学領域における問題の収集,ガイドラインに沿った修正,テストデータの収集を予定していた。このうち,問題の収集と修正については,算数・数学領域に留まらず,他の領域についても実施した。一方,テストデータの収集については,当該年度中には収集には至らなかった。これは,予定以上に多量の項目が収集されたことによるものであり,拙速な調査を回避したためである。問題の修正作業自体は順調に進行している。 「2.問題作成ガイドラインの普及・浸透」「3.テストの品質管理に資するテスト問題作成支援システムの開発」については当初,ウェブサイトの開設,問題作成ガイドラインの紹介,項目分析法の紹介などを計画しており,それらは予定通り実施された。 以上から,本年度の進捗状況としては,おおむね順調に進呈している。
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今後の研究の推進方策 |
初年度において,当初予定よりも多量のテスト項目を,多数の領域に渡った収集することができたため,次年度においては,「1.問題修正の効果を検証したアイテムバンクの構築」については,ガイドラインに沿った問題の修正作業を進めるとともに,テスト冊子の編集,調査の実施に向けた準備を進める。科目数が多いことから,当初予定の算数・数学,推論・読解(国語,英語含む)に加え,理科の科目についても調査実施の準備を進める。 「2.問題作成ガイドラインの普及・浸透」「3.テストの品質管理に資するテスト問題作成支援システムの開発」については,項目分析を実行するプログラムを整備し,サンプルデータととももに公開することを目指す。
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