小・中学校において、1人1台端末やクラウド環境の活用がはじまり、情報モラルを含む情報活用能力が、これまでよりもさらに教科等の学びの中でも育まれるものとなった。それは高等学校においても同様であり、初等中等教育での情報モラル教育のあり方も変わりつつある。そこで、2022年度は高等学校における情報モラル教育と、教員養成大学におけるICT活用指導力という側面からの情報モラル教育という大きく二つの研究を行った。 一つ目に、高校生を対象とした研究として、情報社会の課題に対応する態度の涵養を目指しCommon Sense Educationのデジタル・シティズンシップ教材の構成*を援用し、4つのステップからなる授業フレームを提案した。この経過を全国大会で発表した。また、情報モラルを主目標としない情報科の情報デザインの授業の中でも、多様な側面から物事を捉え、情報社会に参画するための側面を考慮する授業実践も行った。この授業実践の結果を全国大会で発表した。 二つ目に、教員養成大学の1年生を対象に、1人1台端末の活用を前提とした情報モラル教育とその指導を考えるためにはどのような授業デザインをしたらよいかという大きな問を前提とした2年間の授業実践の分析を探索的に行った。その結果、教育観の転換やその講義のヒントとなる授業実践の映像の視聴が、学生の意識を変える方向づけにはなることが示唆された。これらについて紀要等にまとめた。 *Common Sense Education.“Teach Digital Citizenship with Dilemmas and Thinking Routines” https://www.commonsense.org/education/digital-citizenship/digital-dilemmas (2023/4/21参照)
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