研究課題/領域番号 |
17K01081
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
康 敏 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (60290425)
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研究分担者 |
大月 一弘 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (10185324)
柏木 治美 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (60343349)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ライティング支援システム / CALLシステム / 単語抽出 / 品詞情報 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、作文の産出過程に焦点をあて、自然言語処理技術を活用し、従来の作文産出後の添削方式と異なった推敲過程重視の新しいタイプの外国語学習者作文支援システムを開発して実践的に評価を行うことである。平成29年度は、作文支援システム全体のプロトタイプをデザインし、プロセスライティングの書く準備のステージに対応した支援機能を実装した。評価は進行中である。 決まったテーマについては書く準備の段階でのリーディング活動はライティング活動につながると言われている。プレライティングシステムでは、予め用意したリーディングリソースからテーマや文法に関わるリソースを検出して品詞情報つきの内容語単語一覧とリーディングの内容を読みやすい形で提示している。単語の品詞情報を提示するのは学習者が品詞種類を把握することで、文構造への理解を深めることを図るためである。実装は、英語に対してテーマに関わるリソースを中心に、中国語に対して文法に関わるリソースを中心に行った。内容語の抽出と品詞情報の付与には、Penn TreeBank tagsetを利用したStanford POS Taggerを用いた。内容語抽出と品詞情報付与の機能をテスティングするため、リーディング内容としての文章のみならず学習者が産出した文章も対象にしてその有効性を確認した。つまり、平成29年度で開発したプレライティングシステムはライティングシステムの一部として利用できるが、学習者作文の分析システムとしても利用できる。なお、必要に応じて単語の訳も表示可能とする機能や、表示するリーディングリソースの量と件数は学習者が指定するか、教師が指定する機能などの開発は現在も続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度予定していた作文支援システム全体のプロトタイプのデザインや、プレライティングシステムの開発と実装は進行している。システムのテスティングは一部行い、学習者による実践的評価は進行中で予定よりやや遅れているが、研究は全体においておおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
プレライティングシステムの機能を実装し、評価を行ったうえ、作文・推敲システムの開発と評価を中心にして研究を進めていく。 英作文の推敲過程では、コロケーション、連結語句および副詞の使い方に焦点をあて、センテンス毎に推敲させ、より文法上の誤りが少ない、自然な作文を産出できるように支援を行う。連結語句についての推敲は品詞解析の結果を連結語句リストとの照合によって行う。副詞の使い方については抽出しやすいly-副詞を中心に、WordNetなどの類語辞書を用いて、類似した他の副詞もあることを示しながら、述語と合わせた例文の提示によって、より適切な副詞を選択させる。さらに学習者の必要に応じて対訳辞書を利用した日本語訳文の提示や難易度の高いセンテンスに対して翻訳機能の利用も考慮して、作文過程を学習過程に切り替えることを可能とする。推敲過程におけるシステムの構築は直接にシステムの有効性に影響するため、この段階で有効性を確認しながら、計画通りに行かない場合、コーパスのジャンルを制限してシステムを再構築する予定である。 その後、中国語を中心とした作文・推敲システムの実装と評価について研究を進めていく。和文中訳については、単語、基礎的文法および特定の文法を中心に、提示やフィードバックを行う。和文中訳での推敲過程において、過去に学んだ単語や基礎的文法をもう一度学習させることによって、作文力の向上を図る。 最終年度ではシステムを完成して実践的評価を行う。システムの一部の機能をモジュール化して、汎用性の高いLMS などの学習支援システムに実装できるようにすると共に、システム蓄積した学習者作文データをコーパスにして研究者向けに公開し、研究成果を社会に還元することも目指す。さらにこれまで得た推敲過程を重視した外国語学習者作文支援システムを構築し、評価する知見について、取りまとめ、成果の発表を行う。
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