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2019 年度 実績報告書

郷土芸能伝承のための「技能」の質分析による「上手さ」の定量化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K01087
研究機関岩手県立大学

研究代表者

松田 浩一  岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (70325926)

研究分担者 PRIMA・OKY・ DICKY  岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (20344624)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード身体知 / 郷土芸能 / 和太鼓 / 角速度
研究実績の概要

郷土芸能において,個々の上手さや雰囲気には違いがあり,与える印象が異なる.感覚的に違うということがわかっても,具体的にどのような違いがあるのかを言葉で説明することが難しい場合がある.本研究では,(1)データで身体知の相違を可視化し説明可能になること,(2)共通の経験知を表出し共有すること,を目指した.
和太鼓のバチさばきについて聞き取りを行ったところ,インパクト直前の手首の動きに特に差があり,音の響きかたが異なるという経験知を得た.上級者たちの言葉では,タメを作って最後に勢いを付ける,という説明であった.しかし,上級者で間でも(1)音は十分に出ていて響きがある,(2)音は団体内で最も大きいが響きがよくない,という音の違いがあるというが,なぜ違うのかについて説明はできていなかった.
そこで,角速度センサを手の甲に付けて計測したところ,(1)聞き取り通りにタメを作っている,(2)タメが無い,という傾向が角速度の推移から分かった.タメを作らないことで,他の上級者に比べて角速度の最大値は低くなっており,それが響きのよくない音に繋がっていることが推測された.
さらに,後半にタメてインパクトするはずが,上級者たちは,中級者たちよりもインパクトから最大値の位置が時間的に離れていることが分かった.聞き取りを行ったところ,上級者たちは揃って,前腕,手首の延長線上よりもさらに角度を開いてインパクトしているという.その方が良い音が出て次の動作につなげやすくなっているという.これは,指導内容の聞き取りの際には出てこなかった内容であった.
以上の成果から,和太鼓のバチさばきは,手の甲に付けた角速度により傾向が分析できることが分かってきた.角速度の分布(変曲点,極大値,極小値などの位置や量)の違いを整理することにより,個々の動作の特徴を推測でき,また,経験者から知見を引き出すことを可能とできることが分かった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Evaluation of Joint Range of Motion Measured by Vision Cameras2019

    • 著者名/発表者名
      Prima, O.D.A., Ono, Y., Murata, Y., Ito, H., Imabuchi, T., Nishimura, Y.
    • 雑誌名

      International Journal On Advances in Life Sciences

      巻: 11 ページ: 128,137

  • [学会発表] 角速度の推移に着目した和太鼓の振り下ろし動作の分析法に関する一考察2020

    • 著者名/発表者名
      髙橋樹, 松田浩一
    • 学会等名
      情報処理学会第82回全国大会
  • [学会発表] 盛岡さんさ踊りにおける集団動作の評価に対するOpenPoseの有効性に関する一検討2020

    • 著者名/発表者名
      宝槻昂,松田浩一
    • 学会等名
      情報処理学会第82回全国大会
  • [学会発表] OpenPoseを用いた重心移動訓練における姿勢分析に関する一検討2020

    • 著者名/発表者名
      浪岡晃岐, 松田浩一
    • 学会等名
      情報処理学会第82回全国大会

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公開日: 2021-01-27  

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