研究課題/領域番号 |
17K01090
|
研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
内山 千鶴子 目白大学, 保健医療学部, 教授 (70433670)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 言語聴覚士養成教育 / 教育ガイドライン / モデル・コア・カリキュラム / 日本言語聴覚士協会 |
研究実績の概要 |
本研究は2013年度より着手している言語聴覚士養成教育における教育ガイドライン(EG)とモデル・コア・カリキュラム(MCC)を完成させ、全国の養成校に広報し本カリキュラムによる教育を展開していくことが目的である。3年間の研究結果は以下の4点である。 (1)2013年から、2016年の3年間で作り上げた枠組みと専門分野のカリキュラムに基づき、研究1年目の2017年には専門基礎分野のカリキュラムを作成した。また、MCC全体としての整合性を整え、実現可能な内容であるかを時間数、内容等をシラバスに当てはめ検証した。 (2)研究2年目の2018年には、作成した案を言語聴覚学会等で発表し参加者から意見を聴取した。さらに、言語聴覚士協会教育部の養成校へのメーリングリストを使用し、同修正案に対するアンケートを実施した。言語聴覚士協会のホームページにおける会員ページですでに作成したコアカリサイトに作成案を掲載し、意見を収集した。以上の3つの方法でMCCの内容と順序性が妥当であるか多くの言語聴覚士から意見を収集し検討した。 (3) 研究3年目の2019年には、EGとMCCを言語聴覚士協会MCC委員会で修正し完成させた。同委員会は研究代表者が副委員長を務めた。研究代表者は完成したEGとMCCの共有化を図る目的で冊子を作製し、養成校と関連機関に配布した。同時に、協会のホームページから無料でダウンロードできるようにした。さらに、言語聴覚学会、全国リハビリテーション学校協会教育研修会等で発表し普及を目指した。 (4) 研究の最後にMCC作成過程で明らかとなったカリキュラムの内容、順序性、関連性等、指定規則の問題点を整理することで今後の養成教育の向上に役立てる予定であったが、カリキュラムの内容の検討のみで指定規則の問題点を挙げるまでは進んでいない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の(4)が不十分である。言語聴覚士学校養成所指定規則は平成10年に制定されて20年以上経過し言語聴覚療法をめぐる様々な社会状況が変化しているが見直されていない。指定規則の改定を要望するには、どのような改定が適切かを示さなければならない。その資料とするため、本研究ではカリキュラムの内容は検討したが、その順序性、関連性など、指定規則の問題点を整理するまでには至っていない。これを解決するため、現在のカリキュラムと指定規則の問題点を調査しまとめる必要が生じた。 さらに、EGとMCCの広報中に多くの言語聴覚士から臨床実習の評価と教育方法の関して、全国的な統一版作成の要望が強かった。その資料を収集するために臨床実習の実態調査をする必要が生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度は、言語聴覚士協会教育部が2019年に調査したデータをまとめ整理する。このデータは同協会教育部委員である研究代表者が主となり調査したもので、その内容は現カリキュラムと指定規則の問題点について養成校教員の意見を収集したものである。 さらに、2020年度には臨床実習の評価と教育方法の関して、全国統一版を作成する目的で、その資料を収集する。これは、言語聴覚士協会教育部を通じて全国の養成校教員と臨床実習指導者に臨床実習の実態調査をアンケート形式で依頼し、データを収集しまとめる予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究の1部が不十分であり、追加する研究内容が生じた。そこで、研究目的を達成させ、さらに拡充する目的で未使用額を残存させた。言語聴覚士学校養成所指定規則に関するアンケート結果をまとめるための委託費と、臨床実習に関する実態調査を実施する予定で、収集したデータを整理するための委託費として使用する。さらに、アンケートのみでは不十分な部分の情報を収集するための旅費に使用する。
|